2008年釣行記(6)
2008/04/16
潮回り:若潮 場所:KMKC 釣果:350g X 1 同行者:ナシ
月曜日の天候は毎週の様に雨模様。天気予報では4週間連続で雨とのこと。
今週の14日もそんな訳で釣行をやめたのだが、何となく物足りなくて16日に有給休暇を取って釣行した。
場所は以前から気になっていたKMKC。この磯の出入りにはロープ場があって老いの身には堪えるのだが、3月末頃に17度まで上がった水温が最近では14度台にまで下がってしまったので、少しでも水深がある方が良かろうとの読みである。
自宅を2:30に出発すれば、現地の駐車場到着は4:00。そこから磯に下りるには30分は掛かるだろう。そうすれば朝未だき時間帯から実釣が出来る。
そんなことを考えながら床に入ったが、何故か遠足前の子供の様に目が冴えて寝付けずウツラウツラとしている内に2:00となってしまった。
現地の駐車場の到着したのは予定通りの4:00。
真っ暗な中をヘッド・ランプの灯りを頼りに入磯地点の目印の大木に到達。
そこから藪の中に分け入り、途中、何度か道に迷いながらもロープ場に着いたが、ここに来るまでに既に汗びっしょり。
リュックからペットボトルを取り出し喉を潤して一息ついた後、漸くロープにしがみ付く様にして崖をソロリソロリと下りた。足場となる岩の表面は、一昨日の雨のせいか湿っていて滑り易くなっている。ここで滑落してまた骨折でもしようなら、何を云われるか堪ったものじゃない。
慎重に下りて釣座とすべき磯の先端に到着したのが4:40。
そして、重労働で熱くなった身体を冷やすために釣用の防寒着を兼ねたジャンパーを脱ぎ水を飲みして息を整えてから、ロッドを繋ぎリールを取り付け等々・・・。
釣支度を終わったのが、丁度5:00。
さて、第一投。
苦労してやっとのことで辿り着いた磯。これで結果が出ない筈はない。
時折、少し大きめのうねりが来て小さなワンドの突き当たりで大きな音と高い波飛沫を上げているが、気にするほどの事はない。
有給休暇を取って来た甲斐があった(?)と獲らぬ狸の何とやら・・・・。
所が、水深があると思って入ったのに、意外と浅い。この磯に入るのは今日が2回目で様子が充分解っていないとは云え、これは何としたことか。磯替えをするにも、又、あの崖をループを伝って登らねばならず、そんな体力も気力もない。
前方ヤヤ右よりの水平線から朝靄を通して真っ赤な太陽が顔を出して来る。
雰囲気は良い!!
何とかなるだろうと腰を落ち着けることにしてキャスティングを繰り返すが、イカからの信号はなく、只、海藻が掛かって来るだけ。
その内気が付くと、右後ろの磯に磯釣のスタイルでばっちりと決めた釣師が入っている。
そして右隣の磯にも・・・・。
こんなにアプローチが大変な場所で、しかも平日にも拘らず、結構人気がある様だ。
人気がある–>釣れる筈と頭の中には単純明快な方程式が浮かび、キャスティングする手にも力が入るが・・・。
この頃からカンナに無色透明のプヨプヨとしたゼリー状のものが掛かって来ることが多くなって来た。最初はゲソかと思ったが、よくよく見ても蠢く様子もなく、臭いもない。隣の磯の磯釣師に尋ねても知らないとの返事。何かの卵塊だと思うが、一体正体は何だろう!!
集中力も切れてソロソロ止め様かと考え始めた9:00、やっとのことでエギを抱いて呉れたのがこのメス。
産卵を間近に控えたこの時期に、何故こんなサイズ???と思ったが、1杯は1杯。これで、ボーズはなし。
その後、程なくしてエギを無くしたのを期にStopFishing。
崖を必死の思いで攀じ登り駐車場に辿り着いた時には、青息吐息。波を被った訳でもないのに、頭から足までびっしょり。駐車場にあるベンチに道具と身体を投げ出しジッと休息、と云うより動けなかった。
暫く休んで落ち着いて来たので、以前から気になっていた場所を下見しておくことにした。
昼飯もその磯でする積りで、ペットボトルとパンをコンビニのレジ袋に入れてのんびりと坂を下って行く。道は細いがコンクリートで舗装されていて歩き易い。
実はこの道の入り口には通行禁止の看板があり、坂を下り切った所には立ち入り禁止の看板がある。理由は崩落の危険とのことなので、余り大っぴらには出来ないが、まぁ、そこは自己責任と云うことで・・・・。
崩れかけた防波堤に墨跡を探しながらレジ袋からパンを取り出して喰っていると、突然パンを持っている右手にドンとかトンとか軽いショックが走った。
何事かと右手に眼をやると持っている筈のパンがなーい!!
そして、目の前の手が届きそうな所をトンビの影がスーッと飛んで行く。見ればその脚にはパンがしっかりと・・・・・。
トンビに油揚げならぬ葡萄パンをさらわれてしまった。
さて、釣り場の下見を終わって帰路につき運転をしながら、ふと海を見ると、八貫山下付近の海岸線に赤潮の帯が流れている。
その帯は所々途切れてはいるものゝ、ずっと繋がっており米神の小さなワンド等は真っ赤。真夏ならいざ知らず初夏にもなっていないこの時期に赤潮が現れるとは予想もしなかった。
今日の貧果の原因は、この赤潮だったのかも知れない。
イヤ、きっと赤潮が原因だ・・・と思うことにしよう。