※ 月別アーカイブ:3月2015 ※

1060製作記(6)先・従台車

フル・スクラッチ 先・従台車 形式1060

先台車主要なパーツの3D図面化は略完了した筈・・・・。

と云うことであれば、ソロソロ実際の工作に取り掛かっても良いのだが、まだ工作室の整備が終わっていない。と云うより着手することさえ出来ていない。実は、工作室には少し設備投資をして近代化を図ろうと考え、この1060はその後の第一号の作品にしようと目論んでいた。所が、一昨年、嫁に行った娘の持ち物が未だ残っており、早く整理する様に云っているのだが、何時まで経っても放ったらかし。
昭和の男らしく強権発動すれば、ことは簡単に解決するものゝ、実際には張り子の虎状態でそうすることは夢のまた夢・・・・。

この様な状況なので、もう少しDSMで実際の工作をシミュレートしておこうと思う。

1060の前後にある台車の復元装置をどの様に組み込むか?
復元装置と云っても、台車そのものをセンターに戻す機能と台車の向きをセンターに戻す機能の二つの機能が必要だと思うのだが・・・・。
珊瑚模型のキットの2700の従台車には復元装置などはなく、センターピンの孔を左右に広げて横の動きを可能にしているだけなので、敢えて組み込まなくても問題はなさそう。となれば手を抜けるのだが。

1060製作記(5)弁装置3

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

先週は毎日の様に釣りをする時間帯になると強い風が吹き、結局一度も釣行出来ずじまい。
その分、鉄模に時間が割けた訳だが、スティーブンソン弁装置については納得の行く作図が出来なかった。と云うのも、2Dの図面で動きを確認した各パーツ、例えばこのスティーブンソン式弁装置で云えば、吊りリンク、加減リンク、偏心棒等々を夫々3D図面に描き起こし、そのパーツを組み立ててスティーブンソン式弁装置の3D図面にするのだが、どう云う訳か、他の部分と干渉したりして上手く行かなかった。
実際には、工作精度の問題があったり、あるいは遊びを少し大きめに取ることによって避けられることだろうと思うが、図面上だけでもキチンとしておこうと、変に拘ってしまった。

余りこんな所で時間ばかり取られるのも・・・・と思っている所にタイミング良くrailtruckさんから動きを楽しむだけなら難しく考える必要はないとコメントを頂き、割り切れた次第。

Stephenson弁装置と云う訳で、図面は出来た。
しかし、実際に可動する弁装置を作り込むことを前提とすると、別の新たなる問題があることに気が付いた。

分解・組立はどうしよう?

これに限らずスクラッチの場合は、上回りと下回りをどの様に分割するか頭を悩ますことが多いが、それにもう一つ厄介な条件が加わったことになる。

1060製作記(4)弁装置2

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

スティーブンソン式弁装置の作図の段階で、思わぬ所から小生自身の無知振りを曝け出してしまい、聞くは一時の恥と云うものの、誠にお恥ずかしい限りで・・・・。

しかし、 railtruckさんから頂いたコメントや参考になるHPのURLを見て弁装置の動きそのものは理解出来た。と云うか、そのHPからダウンロードした弁装置をシミュレートする動画が面白くて、思わず見入ってしまった。
所が、具体的に図面にしようとすると、例えば偏心棒の長さ、加減リンクの大きさやRをどの様に求めれば良いのか皆目見当がつかない。

そこで、この所懇意にして頂いている湘南鉄道模型クラブS氏にメールを差し上げ、氏がどのようにされているのかお尋ねしてみた。
すると、ご親切にも以前スクラッチされた5700や現在手掛けておられる2040の弁装置周りの図面を送って下さった。
S氏の作品は、弁装置の動きも見事に再現されており、現物を拝見した際にも13mmの一際狭いフレームの間に弁装置を稼働させるメカを精緻に組み込んでおられ、出て来るのは只々溜息ばかりだった。

Stephenson弁装置-04そんな作品をスクラッチされる際に描かれた図面を送って頂いたからには何としてでも・・・・・と意を新たに、送って頂いた図面を見ながら、あーでもない、こうでもないと無い頭を捻りつつ何とかそれらしく描き上げてみた。

図の左から中立、前進、後進、縦にそれぞれ90度ずつ回転させた場合をシミュレートしてみた。
一見すると、これで上手く稼働する様に見えるが、前進モードの最初の段階で引っ掛かって上手く動かないのではないか・・・。つまり、加減リンクと吊りリンクの結合点を一点、加減リンクの上下にある偏心棒との結合点二点で作られる三角形の大きさや向きは変わる筈はないのだが、ここだけその三角形が裏返ってしまっている

弁装置を作り込むとしても、小生の技量では中立の状態で作ることが出来れば御の字で、そこまで拘るのは無駄な様にも思えるが・・・。

1060製作記(3)弁装置1

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

いよいよ蒸気機関のハイライトである弁装置関係の作図になった。小生は、弁装置の複雑な動きが好きで、何とかその動きを模型で再現したいと思ってこの世界に入った様なもので、そういう意味ではもっと複雑なジョイ式弁装置アラン式弁装置を搭載した蒸気を題材に選べば良いのだが・・・。

スティーブンソンこの形式1060に搭載されている弁装置は、アラン式弁装置の原型のスティーブンソン式で、将来に備えての習作の位置付けになりそう。しかし、今回はフレームの内側に設置されており外側からその動きが見えないので、模型化する際には手抜きをして無視する積りでいた。

所が、米国型の古典機の場合は、シリンダーと動輪の間がスカスカに開いていて、逆転軸腕や釣りリンク腕、弁心棒が意外に目立つ存在になっている。従って、弁装置そのものは省くにしても、逆転軸腕等は賑やかしのためにも作る必要はある。

と云う訳で、実際に作り込むかどうかは別にして、将来のために弁装置全体を図面にしておこうと取り掛かったのだが・・・・。

スティーブンソン式弁装置の場合は、偏心棒が前進用と後進用の2本で構成されていて、前進用の偏心棒が釣りリンクの上方、後進用が下方に連結されていて、車軸の回転を往復運動として釣りリンクに伝える構造になっている。

そこで3D図面を起こして見たが、上手く動きそうもない
ならば、一旦2D図面で動きを確認してから3Dを起こそうとしたのだが・・・。

上の図で、左側の小さな円が車軸、大きな二重線が偏心輪、そして右側の円弧が釣りリンクを表している。又偏心輪の中心点は車軸の円周上に置いた。
そして実線は前進用、破線は後進用で、上から車軸を90度ずつ回転させた状態を示しており、先ず最初に実線の後進用の動きを書き、その後前進用の動きを書いた。

すると、どうしたことか後から描いた後進用の偏心棒(破線)の長さが夫々異なっている。実際には鋼鉄製の偏心棒が伸び縮みする訳はないので、何かをが間違えていることは明白なのだが・・・・・

弁装置を作り込むにしても、フレームの下から覗いて見える後進用の偏心棒だけにすれば、何とか誤魔化しは出来る。

しかし、何か大きな勘違いをしている様に思えて仕方がない。何処をどの様に考え違いをしているのかモヤモヤとしたまゝだし、このままにしておくのも何か釈然としないものが残るのも確かなことで、さてどうするか?

1060製作記(2)DesignSpark

3D-CAD フル・スクラッチ 形式1060 道具・冶具等

DesignSpark Mechanical(以下、DSM)を使って1060の下回りのデザインに取り掛かった。
しかし、この段階になってもこれまで使って来たSketchUpの操作感に慣れ切っている身には、どうしても馴染め難い点が残っていた。所が、ある時、プレーンの使い方が解ってからは、自由に断面を設定し、その断面図上で修正したり書き足したり、あるいは現物合わせが出来る様になって使い勝手がグーンと良くなり、今ではSketchUpを思い出すことはなくなった。

1060の3D図面は、SketchUpで描いた図面をベースにDSMで書き直すことで進めて来たが、基本的には一つ一つのパーツを3Dで描き、そのパーツを組み立てる方法を取っている。言い換えれば、真鍮の板や棒を切削することに替えてDSMでパーツを作っている様なもので、出来るだけパーツを構成する小さなパーツから書き起こす様にしている。

こうして描き集めたパーツを組み立てて、上から下から丸で実物を手にしている様に眺めるのも楽しいもので、実際にスクラッチする前に予行演習をしている様な意識でいる。

1060-01この様に描いては組み立て、描いては組み立てしている内に、シリンダー間隔を広く取り過ぎていたことが分かった。
この1060はメイン・ロッドがサイド・ロッドの内側に設置されているので、それが原因かと思ったが、その点を差し引いても左右のシリンダーの中心がメインロッドの外側に位置している。シリンダーの間隔についてSketchUpで描いた際には、英国型の280027と同じ様に21mmに設定しており、DSMで書き直す際もそのまま21mmを踏襲していたが、米国型ではシリンダー間隔にそれ程神経を使う必要はなさそうだ。

と言う訳で、シリンダー間隔を1.5mm詰めて略スケール通りの19.5mmとした。ここまで詰めると左右のシリンダーと先輪との接触が心配だが、3Dの図面上で見る限り問題はなさそう。寧ろ、スライドバーとの接触が気になる所で、4本で構成されているスライド・バーの奥の下の1本と干渉しそう。だが、ここは横から見る限りは最も目立ちそうにない箇所なので、軽くえぐって当たりを避けられる見込み。