※ 月別アーカイブ:12月2015 ※

1060製作記(44) 弁装置 – 17

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

ストラップ部分のフライス工作に入った。

前回、書き忘れたことだが、材料は1mm厚の真鍮。これを同じ1mm厚の捨て板に半田付けをして工作に臨んだ。

1060-034最初のフライス工作は、ストラップ部分の後ろ半分の外周を1mmのエンドミルで切削することで、先に開けた案内穴にエンドミルが達した時にハンドルを止めて削り過ぎを防いだ。

この辺は前作でもやったことのある工作で、要領も解っているので、問題なく終了。

続いて、偏心棒のアームを嵌め込む部分を0.5mmだけ削り込み、ついでに左右に分割するための切込みを1.3mmの深さにまで入れた。
鉄模の先輩諸兄から、今更何を云っているのかとお叱りを頂くことになるが、パーツに切り離す切込みは、出来れば最後にしたい所。つまり、捨て板との半田付けが上手く出来ていない部分があった場合、そこに刃物が来ると、その圧力や衝撃で材料が思わぬ所で剥がれてしまい、折角のパーツがお釈迦になることがある。それを避けるために、全ての工作が終わってから切り離し作業に入るべきだと思う。

そして、偏心輪を嵌め込むための径5mmの穴を開ける作業に入った。
作業は、3.5mm、4mm、4.5mm、4.8mmと徐々にドリルの刃を太くして行き、最終的には5mmのリーマーを通す手順を考えていた。
所がその最後の手前の段階で、失敗!!

1060-035一ヶ所だけ穴の位置がずれてしまっている。
汚い写真で恐縮だが、上の写真の左上の左から二つ目の穴・・・・・。
左の写真はその部分を天地を逆転して拡大したもので、ズレていることが良く判る。
いつもはこの様な失敗の対応策として、常に予備を、この場合は5組を作る様にしているのだが、この場合はそれを怠っていた。

さてどうするか????

1060製作記(43) 弁装置 – 16

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

1060-033偏心棒のストラップ部分の工作に入った。

ストラップ部分は、二分割にして車軸を挟みこんでからS0.5のネジ止めする構造で、これを実現するためにどうすれば良いか?

当初は安易に考えて、偏心輪をセットする直径5mmの穴を開けた後に二分割することにしていた。しかし、この場合は、分割する際の刃物の厚さの2倍分だけ全体として円弧が短くなるので、ネジ止めする際にそれを補うために敷板なりを挟み込む必要がある。

この方法で問題はない筈だが、どうも出来上がりにスマートさがない様に思えて仕方がない。
そこで、二分割された状態でそれぞれを削り抜くことにした。
つまり、ストラップ部分は片側で2個必要なので、左右両側で4個、それが分割された状態で工作に入ろうと云うのだから、全部で8個。貼り合わせて工作の手間を省くことも出来るだろうが、今回は愚直にもその8個を平面に展開して、1個ずつ作ろうと云うのだから、当然工作は遅れてしまうが・・・・。

その第一歩で、今日はそのための下穴を48個開ける作業をした。
48個の内、4個だけがストラップ部分の中心点となるもので、44個は場合によってはなくても工作は出来る筈。しかし、ハンドルを回し過ぎて削り過ぎてしまい、その都度初めからやり直しをせざるを得ないことが、少なからずあったので、DROの数値を読みながら、かつ、この下穴を頼りに削り過ぎをなくそうと云うもの。

これによって削り過ぎをなくすことが出来れば、これこそ急がば回れとなるのだが、果たして、功を奏するか・・・・?

1060製作記(42) 弁装置 – 15

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

弁装置-改3工作が遅々として進まず、まだ、弁装置から脱出出来ずにいるが、急がば回れで、何度目かの図面を起こした。

前回と大きく異なるのは、偏心棒の構造で、前回は全体をワンピースで作った。
それに対して今回は3ピースからなる構造にした。
先ず、偏心輪が嵌め込まれるストラップ部分と、加減リンクに繋がる腕の部分、更に、ストラップ部分は実物と同じ様に偏心輪を挟んでS0.5のネジ止めするために分割することとした。

と云っても、最終的には、ストラップ部分と腕の部分を半田付けする積りで、その場合は、2ピース構造となる。ただ、工作の過程でネジ止めにするかも知れず、この辺りは、小生が得意とする現物合わせ的な対応になると思うが・・・。

そして、ストラップ部分の形状も変えた。前回は単なる円盤状にしたが、蒸気機関車メカニズム図鑑を良く見ると、アメリカ型偏心棒はストラップと腕の接合部分が台形状になっている。
改めて図面を描き直し、作り直すからには、目に付いた誤り部分は修正した方が精神衛生上好ましいと考えた。

又、偏心棒加減リンクの結合は、S0.5のネジ止めにすることにした。
メインテナンスを容易にする目的と云うよりも、何か問題が生じた時に、二進も三進も行かなくなることを避けるためのもの。