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1060製作記(156) スライドバー(2)

スライドバー フル・スクラッチ 形式1060

久し振りにフライス盤の前に座って冶具を作成した。

作業そのものは、極めて簡単でどうこう云うものではないが、やはり段取りが悪い。たった半年ほど触っていなかっただけで、こんなにも勘が鈍るのかと、我ながら呆れてしまう程。

そして、出来上がった冶具をスライドバーの切れ目に挿入しようとしたが、すんなりと入ってくれない。やはり、工作を進める過程で知らず知らずの内に歪めていたのだろう。

何とか慎重に歪を正して、冶具を挿入したのだが、スライドバーの中央付近で引っ掛かって、それ以上奥には進まない。
もう少し調整を加えて、冶具を根元まで挿入出来る様にしなければ・・・・。

1060製作記(155) スライドバー(1)

スライドバー フル・スクラッチ 形式1060 道具・冶具等

スプラッシャー砂巻き管を半田付けしている際には、気が付かなかったのだが、色々と工作を進めている内に、スライドバーの半田が緩んだのか、変な力が加わったのか、平行が崩れてしまっていることに気が付いた。

この様な事故を防ぐためにも、工作の対象物には余分な物は付けずに、この場合はシリンダー・ブロックだが、取り外して工作を進めるべきだった。
頭では解っているのだが、どうも無精者の性で、この時も手間を惜しみシリンダー・ブロックを取り付けたまゝの状態で、出来るだけシリンダー・ブロックには余計な力が掛からない様に注意をしていた筈だが、見事に歪めてしまっていた。

この他にも、フレーム火室の間に隙間が出来ていたり・・・・。

こうして色々と気に入らない点が出て来てしまっては、工作を進める気にならず、1日経ち、1週間経ち、1ヶ月経ちしている内に間隔は徐々に広くなり、そうなっては、益々半田ごてに手を伸ばす気にもならず、悪循環に陥っていた。

そして、新年の挨拶に湘南鉄道模型クラブの運転会にS氏を訪ね元気なご様子を拝見し、このまゝではイカン。何とかしなくては
と思いはしたが、中々重い腰は上がらず・・・・・・。

 

工作の再開に当たって、工作感を取り戻すためのリハビリに、先ず、スライドバーの平行度を矯正するための冶具を作ることにした。

そのために、約半年ぶりに3D CADのDSMで図面を描いてみた。

1060製作記(80)スライドバー – 3

スライドバー フル・スクラッチ 形式1060

1060-074クロス・ヘッドを作ったので、シリンダーガイド・ヨーク等を仮組してみた。

クロス・ヘッドは本来であれば4本の棒に囲まれた内側を滑るので、+字形をしている筈で、当初はその様な設計をしていた。

で、実際に製作を始めた所、これが意外と厳しい作業。CADで図面を描いている時は、その実際の大きさを実感出来なくて、寧ろ自分自身が必要以上に小さくなりどんなパーツでも出来る様な勘違いに陥ってしまい、実際の作業でその小ささに驚くことが多く、このクロス・ヘッドはその典型例。

良くよく考えてみると、+字形でなくても、ピストン棒メインロッドがあるのでクロス・ヘッドの横の動きは抑えられ、スライド・バーから外れることはない筈。とすれば敢えて難しい工作をしなくても良いのでは・・・

そこで設計を変更して、凹型でクロス・ヘッドを表現することにした。

先ず、1mm厚の洋白板を、例によって捨て板に半田付けをした上でフライス盤で切り抜く作業を行った。しかし、これは見事に失敗!!
つまり、パーツが小さいので捨て板との接着面が小さい。そのため、エンドミルの回転する力に負けて材料が捨て板から剥がれてしまった。そこで、2度目は完全に切り抜かず、0.2mm程残した状態でフライス作業を終え、エンドミルの切削痕をガイドに糸鋸とヤスリで整形した。
これは大成功で、ハイト・ゲージを使って縦横に何本も輻輳する線を罫書いて、混乱して間違えるよりも、ずっと簡単で正確に切削が出来るので、これから出番が増えるだろう。

クロス・ヘッドが出来た所で、夫々の動きを確認するために上記の通り仮組をして、転がしてみた。
すると、引っ掛かることもなく、スムーズな動きで、一安心

ピストン棒を取り付け、スライドバー等を半田付けしても、スムーズな動きであれば良いが・・・。

1060製作記(79)スライドバー – 2

スライドバー フル・スクラッチ 形式1060

1060-073ピストン棒用の穴開けは、ドリルを0.4mmから順次径を大きくして、ピンバイスで少しづつ慎重に行った。

ボール盤やフライス盤を使って穴開けをすると、作業自体は簡単に終わってしまうのだが、細かい調整が出来ない。この点、ピンバイスを使用すると、綺麗な穴を開けることは難しいが、多少の位置ズレなら何とか修正出来る。事実、今回の作業でも、僅かにズレていた位置を、ズレている反対側をヤスリで削って中心を修正した上で、1.2mmまで広げ、最終的にはリーマーで整形した。

と云う訳で、この形式1060スライドバーは、フライス盤で切り抜いた方を採用することにした。

スライドバーが出来た所で、ガイドヨークを作った。
材料は0.4mm厚の洋白板で、外形とメイン・ロッド用の縦穴をフライス盤で切削し、スライドバー用の凹んだ欠き込みは糸鋸とヤスリで行った。この高さ0.6mmの凹みを削るのに、ヤスリを細く薄くグラインダーで削ったものを使用し、ピーク・ルーペで確認しつつやったが、出来はもう一つ。

作り直しも考えたが、目視の限りでは余り目立つ程でもないので、取り敢えずこのまゝ先に進んで、クロス・ヘッドの作成に掛かろうと思う。

1060製作記(78)スライドバー – 1

スライドバー フル・スクラッチ 形式1060

1060-072この形式1060スライドバーは4本の棒で構成されており、その中心部をクロス・ヘッドが往復する構造となっており、些か複雑な作りとなっている。

と云っても、鉄模に復帰した最初の作品である形式27も同じ構造なので、その時の記憶を思い起こして、と云っても12年も前のことなので、殆ど全てが記憶の外になってしまい・・・・・(涙)

先ず、0.8mm厚の洋白板から8本の棒を切り出した上で、幅が6.4mmの1枚の板になる様に半田付け。この板の厚みを0.9mmまで削り所定の長さ(15.5mm)で切断し、前後にスロープを付けた後、半田を溶かして8本の棒に分解。

これとは別に、シリンダー側のスペーサーとして+形のパーツを作った。このパーツの名称は、浅学にして知らないが、スライドバーシリンダーに固定するためのもので、1mm厚の真鍮板を切り出し、ヤスリで形を整えた。最初は洋白を材料としたが、出来上がりの形に満足出来なかったので、真鍮で作り直した。

スライドバーを構成する4本の棒は、上下左右に1mm幅を設ける必要があることから、スライドバーの前半部分は前述の+形のパーツ、後半部分には1mm厚の端材をスペーサーとして半田付けした(写真の右側の2本)。

ここまで作業が進んだ時に、凹型に切り出したものを凹型の底辺部分でスペーサーを介して2枚貼り合わせれば、スライドバーになる筈・・・。
であれば、フライス盤を利用出来ると思い付いた。

苦労してヤスリと糸鋸でシコシコと削って何とか形にはなっていたが、このまゝ工作を進める気にならず、フライス盤を用いて作り直した(写真の左側)。
この後の作業として、切り離すことと、ピストン棒用の穴を開ける作業が残っている。問題はピストン棒用の穴を正確に所定の位置に開けられるかで、この穴開けに成功すれば、こちらのスライドバーを採用しようと思う。