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1060製作記(3)弁装置1

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

いよいよ蒸気機関のハイライトである弁装置関係の作図になった。小生は、弁装置の複雑な動きが好きで、何とかその動きを模型で再現したいと思ってこの世界に入った様なもので、そういう意味ではもっと複雑なジョイ式弁装置アラン式弁装置を搭載した蒸気を題材に選べば良いのだが・・・。

スティーブンソンこの形式1060に搭載されている弁装置は、アラン式弁装置の原型のスティーブンソン式で、将来に備えての習作の位置付けになりそう。しかし、今回はフレームの内側に設置されており外側からその動きが見えないので、模型化する際には手抜きをして無視する積りでいた。

所が、米国型の古典機の場合は、シリンダーと動輪の間がスカスカに開いていて、逆転軸腕や釣りリンク腕、弁心棒が意外に目立つ存在になっている。従って、弁装置そのものは省くにしても、逆転軸腕等は賑やかしのためにも作る必要はある。

と云う訳で、実際に作り込むかどうかは別にして、将来のために弁装置全体を図面にしておこうと取り掛かったのだが・・・・。

スティーブンソン式弁装置の場合は、偏心棒が前進用と後進用の2本で構成されていて、前進用の偏心棒が釣りリンクの上方、後進用が下方に連結されていて、車軸の回転を往復運動として釣りリンクに伝える構造になっている。

そこで3D図面を起こして見たが、上手く動きそうもない
ならば、一旦2D図面で動きを確認してから3Dを起こそうとしたのだが・・・。

上の図で、左側の小さな円が車軸、大きな二重線が偏心輪、そして右側の円弧が釣りリンクを表している。又偏心輪の中心点は車軸の円周上に置いた。
そして実線は前進用、破線は後進用で、上から車軸を90度ずつ回転させた状態を示しており、先ず最初に実線の後進用の動きを書き、その後前進用の動きを書いた。

すると、どうしたことか後から描いた後進用の偏心棒(破線)の長さが夫々異なっている。実際には鋼鉄製の偏心棒が伸び縮みする訳はないので、何かをが間違えていることは明白なのだが・・・・・

弁装置を作り込むにしても、フレームの下から覗いて見える後進用の偏心棒だけにすれば、何とか誤魔化しは出来る。

しかし、何か大きな勘違いをしている様に思えて仕方がない。何処をどの様に考え違いをしているのかモヤモヤとしたまゝだし、このままにしておくのも何か釈然としないものが残るのも確かなことで、さてどうするか?