1060製作記(33) 弁装置 – 6

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

1060-023カッターの刃を利用した突っ切りバイトで切削した偏心輪
材料は8mm径の真鍮棒。外心輪の径は6mmなので7mm径の真鍮棒を使いたかったが、7mmのコレットの持ち合わせがないので、8mmを使った。

奥の5枚が失敗作で、手前の串刺しされている4枚が合格品。と云っても、内心輪の外周に少しカエリが見える。しかし、ヤスリを一寸当てれば修正が出来るので問題はないだろう。

中心には1mm径の穴を開けている。この穴は、この後FM-80E(A)(フライス盤)で3mm径の穴を0.8mm偏心させて開ける際の位置決めのための案内。出来れば、ヤトイを作ってML-210(旋盤)で開ける方がスマートなのでそうしたい所だが、どの様なヤトイを作れば良いのかアイデアがないので、捨て板に半田付けをして加工する予定。

1060製作記(32) 弁装置 – 5

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

弁装置の仕切り直し。

前回との変更点だが・・・・。
先ず、オフセット量は、前回は1.5mmに設定したのだが、大き過ぎるので0.8mmに縮小し、それに伴って偏心内輪の直径を6mmから5mm、偏心外輪は7mmから6mmと一回り小さくした。
又、加減リンクの厚みは、実物では3”程あるので、模型では1mm程度が妥当だと思うが、少し厚過ぎる感じがある。そこでrailtruckさんのコメントを参考に、小生も前回の0.2mmから厚くして0.5mmに設定した。
更に、偏心棒偏心内輪も0.5mmと厚くした。

先ずは偏心輪の作成。

前回は、偏心外輪偏心内輪を別個に作り、それを半田付けして偏心輪とした。
今回も同じ手法を使って作業を進めた所、偏心外輪は何の問題もなく切削できたのに、偏心内輪がどうも上手く切削出来なかった。つまり、切削の途中で、張り合わせをしている所からポロリと材料の洋白板が剥がれ落ちてしまった。半田の廻りが良くなかったのかと思い、入念に半田付けをし直しても、やはり途中でポロリ。ある時は、5.1mmまで削り進みもう一歩と云った所で・・・。

結局、この方法は諦めざるを得ず、前回思い付いた突っ切りバイトを使って一体で削り出してみることにした。

所が、小生が使っている金鋸の刃を利用した突っ切りバイトは、刃先が鈍ってきているので交換する必要がある。しかし、折れた金鋸の刃の残りの部分が行方不明。

さて、どうするか??

1060-022色々と代わりになりそうな物を物色していて、折り刃式カッターナイフの刃が使えるかも・・・・・と思い付いた。

そこで、金鋸の刃に替えて、捨てるために取っておいたカッターナイフの刃をセットして、試してみた所、見事にサクサクと突っ切れることが分かった。
相手が快削真鍮だったので上手く行ったのかも知れず、他の素材でも上手く行くかどうかは分からないが、切れ味が鈍れば、カッターナイフの刃はそれこそ捨てる程あるので、直ぐに交換出来るし、誠に具合が良い。
兎に角、今回の偏心輪の削り出しには間に合いそうだ。

1060製作記(31) 弁装置 – 4

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

railtruckさんから頂いたコメントを切っ掛けに、スティーブンソン弁装置について、再度勉強し直した結果、少々都合の悪い部分が見付かってしまった。知らなければこのまま進める所だが、知ってしまった以上放置しておく訳にも行かず、再度、図面を描き直してみることにした。

どうせ書き直すなら、湘南鉄道模型クラブSさん形式5700の様に逆転装置を可動させることを前提にしようと思ったが、例え図面は描けても、それを実現するのは、どう考えても小生のこの腕には余りある課題。しかし、中立状態で前進・後退させるのも、もう一つの感がある。それならせめて前進状態で弁装置を可動させようと云うことにした。

弁装置描き直した結果、偏心棒の長さが2mm程も長くなってしまったが、小生が持っている資料では、どの程度の長さにするのが合理的なのか不明な上、動輪フレームの陰に隠れて目立たない存在であり、弁装置を可動にすることが主目的なので、この辺りは目を瞑ることにした。

偏心棒の長さが変わったので、フレームのフロント部分にも影響が出てしまい、作り直す必要が出て来てしまったが、これは仕方がない。寧ろ、素材から切り出しただけで半田付けもしていないこの段階だったので、ラッキーだったと云うべきだろう。

1060製作記(30) 弁装置 – 3

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

1060-021本日は、加減リンクの切り抜き。

素材は洋白の0.2mm厚の板。
例によって、1mm厚の捨て板に半田付けをして削った。

2枚の洋白板を半田付けして、一度の作業で抜くことを考えたが、0.5mmの小径のエンドミルを使う必要があるため、板が厚くなればなる程、エンドミルを破損してしまう惧れが大きい。と云うことで、今回は1枚づつ抜くことにした。
腕が上がれば、0.5mmのエンドミルで0.4mm程度の厚さであれば削り抜くことが出来る様になるかも知れないが・・・・・。

写真は、案内穴や連結ピン用の直径0.3mmの穴を開け、スリットを0.5mmのエンドミルで切り抜き、外側の円弧部分まで削った段階。
次は、内側を案内穴を頼りに糸鋸で切り抜き、全体の外径を整える作業になる。

1060製作記(29) 弁装置 – 2

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

昨日の続きで、偏心棒を切り抜いた。

1060-020実機の偏心棒は、円形部分と腕の部分をボルトで連結固定しており、その結合部分は昨日の図面の通り四角形になっている。
小生もその部分を表現する積りで図面を描いた。しかし、実際の工作に当たって、FM-80E(A)(フライス盤)で外側の円形部分を削る際、素材を回転させ過ぎてしまい、四角形を表現する余地まで削ってしまった。

作り直そうかとも思ったが、見えない部分にそこまで拘ることもなかろうと、写真の様な形にしてしまった。

次は、偏心輪
素材はやはり洋白板で、偏心外輪は0.2mm、偏心内輪は0.3mm厚を使い、貼り合わせることにした。
ML-210(旋盤)を使って一体で削り出そうとも考えたが、小生の腕では偏心内輪偏心外輪の段差の部分が直角には仕上げられそうもない。そこで、それぞれ別々に作った後半田付けすることにした。所が、こうしてブログを書いていて、突っ切りバイトを用いれば、可能かも知れないと思い付いたが、遅かった。次に作る機会があれば、その際には試してみよう。

作成方法は、偏心外輪であれば0.2mm、偏心内輪であれば0.3mm厚の板を9mm x 9mm程度の大きさに5枚(1枚は予備)切り出して、直径8mmの真鍮丸棒の断面部分に半田付けし、ML-210で直径8mm乃至7mmに削った後、その中心点から1.5mmオフセットさせた位置に3mm径の穴を開けた。

しかし、実際には、偏心内輪の直径が図面通りにはなっていない(汗)
一度は図面通りの7mm径に仕上げたのだが、偏心棒に嵌め込むことが出来なかった。偏心棒のこの穴は、7mmのドリルを使わずに、外形を抜くついでにFM-80E(A)で刳り抜いたのだが、どうも送り量を間違えた様で、ノギスで内径を測ると6.63mmしかない(大汗)

偏心棒を作り直すか、偏心内輪を作り直すか?
偏心内輪の直径が図面より小さくても、オフセット量が間違えていなければ前後の運動量に影響はない筈なので、工作がより簡単な偏心内輪の方を作り直した上で、偏心内輪偏心外輪を半田付けで貼り合わせて、偏心輪とした。

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