1060製作記(38) 弁装置 – 11

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060 道具・冶具等

1060-029Monotaroに注文しておいた0.6mmのタップダイスが大きな段ボールに入れられて到着した(写真は、入っていた段ボール箱の上にタップダイスを置いて撮影したもの)。

早速、作業に掛かろうと思ったが、ダイスの小さいこと。測って見ると直径6mmしかなく、手持ちの1mmのダイスに比べて遥かに小さく、形状も違っている。
改めてMonotaroの商品説明や写真を見直してみたが、間違ったものを送って来てはおらず、単に小生が見ていなかっただけ(汗)

森井さんが仰っていた通り、どうも、このダイス時計用ダイスと云うのだろう。

兎に角、折角買ったのだから一度はトライして見る必要があるが、しかし、この小さなダイスの保持はどの様にすれば・・・・・

1060製作記(37) 弁装置 – 10

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

1060-028同じパーツを何度も造るのは願い下げにしたい。
そのためには、上手く動かなかった場合は、バラバラに分解出来る様にする必要がある。そこで、各パーツの連結は真鍮線のピンを通すだけにして半田付けをせずに済ませ様と思った。
が、これだけ関節が多いと、グラグラし過ぎて扱いに難儀すると同時に、遊びが多過ぎて動きのチェックにはならないことに思い当たった。

そこで、上手く可動させられなかった場合は、可動化を諦めてダミーにすることに覚悟を決めて、連結ピンを半田付けすることにした。
その半田付けに際しては、関節にまで半田が回ってしまうことを避けるために、形式2800の場合は、薄い紙を挟んで行った。しかし、その薄い紙の存在が意外に邪魔
他に良い方法はないかとない頭を絞った所、半田が回って欲しくない個所にグリスを少量塗ることを思い付いた。通常は、半田付けしたい個所の汚れを取ったり磨いたりするものだが、その逆で半田が流れて欲しくない個所を油分で態々汚そうとするもので、上手く出来るだろうとの自信はあった。
しかし、何もせずに本番に移行するのは、無謀に過ぎる。そこで、端材で試してみると目論み通りの結果で、効果絶大
と云う訳で、全ての関節をこの方法で半田付けをした。

所で、当初、この弁装置全体フレームに半田付けしてしまうことにしていた。しかし、関節を半田付けしている内に、それでは、蒸気本体の分解組み立てに支障があることが解った。つまり、弁装置フレームに固定されていると、弁装置の一部である偏心棒動輪の車軸に取り付けられているため、動輪もフレームに固定されてしまうことになる。
出来れば偏心棒加減リンクの結合部分を取り外せる様にしたいが、機構的には出来たとしても実際には狭いフレームの内側での作業になるので、実際的ではなさそう。

次善の策として、逆転装置弁装置のフレームへの取り付けをネジ止めにすることにした。こうすると逆転装置弁装置動輪ブラブラと繋がった状態になって、扱い難くなることは目に見えているが・・・。

と云う訳で、ネジ止めにすることにしたが、手持ちのネジの最小は1mm。
一方、ネジ穴を開けなければならないフレームの幅は1.5mmしかないので、1mmの穴を開けるとすると、強度的に不安が残る。フレームを作り直すなら、1.9mm位までは広げられそうなので、作り直す手もあるが、0.5mmか0.6mmの極小のネジが手に入れば、このまま工作が進められる・・・。しかし、その場合でも、タップは調達する必要がある。

0.6mmのネジの出番は、これから先、それ程多くはないと思うが、出番は必ずある筈。
であれば、ダイスも調達して、0.6mmのネジを作ってみよう・・・。

結局、0.6mmのタップ、ダイスを購入することにして、到着待ち

1060製作記(36) 弁装置 – 9

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

1060-027糸鋸やすり加減リンクの内側を抜いて整形する作業が終わった。

DSMで図面を描いている際は、パソコンの画面一杯に拡げているので、その小ささを全く意識することはなく、自身の性格的なこともあって、出来るだけ精緻に描いている。
しかし、こうして実物を造ろうとすると、まぁ、小さいこと! まるで自分自身がガリバーになってしまった様な・・・・。

 

残るは、形状的には単純な関節と関節を連結するリンク類(?)。
作業としては、ピンを通す穴を両端に開けた上で外形を整える作業で、毎日少しずつ造り溜め、漸く必要なものが揃ったので、並べてみた(数量は、紛失リスク対策で、出来るだけ必要数よりも多く造る様にしている)。

この後は、これらのパーツを仮組して、上手く動くかどうかを確認する作業になるが・・・・・。
果たして、上手く行く動いてくれるか?
スティーブンソン式弁装置の可動化は、初めてなので自信はないが、楽しみ・・・・・。

1060製作記(35) 弁装置 – 8

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

偏心棒を捨て板から切り離し、先に出来ていた偏心輪と組み合わせてみた。
1060-025最初はスムーズに嵌め込めなかったので、偏心棒の穴をやすりで少し拡げて、何とか収めた。

動きも軽く出来たし、これで取り敢えずこの段階は終了。

次は加減リンクの作成。

1060-026加減リンクの素材は0.5mm厚の洋白の端材。

これを2枚貼り合わせて、一度に抜こうかと思ったが、これまでの工作で1mmのエンドミルを2本も折ったことがある。
ツラツラと考えるに、洋白と洋白の貼り合せ面にエンドミルの刃が達した時に折れた様な・・・。つまり、接着剤である半田の粘りっこさにエンドミルが負けた様な気がする上、今回は更に細い0.5mmを使う必要があり、心許ないので、今回は一枚ずつ抜くことにした。

例によって、1mm厚の真鍮板を捨て板にして、素材を貼り付けた上で、外周は1mm、リンクのスリットは0.5mmのエンドミルで慎重に抜いた結果がこの写真。
案内の穴を開ける際のマークが大き過ぎた個所が一ヶ所あるが、今更作り直す気は起きないので、ここは目を瞑るしかない。

後は、糸鋸とやすりで加減リンクの内側を抜いて整形する作業となる。

1060製作記(34) 弁装置 – 7

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

railtruckさんから、旋盤を使って偏心させる方法をコメントで頂いたが、ここは、当初の方針通りFM-80E(A)を使って、中心から0.8mmオフセットさせた位置に、動輪の車軸用の3mmの穴を開けた。

1060-024前回は、3mmのドリルを用いたのだが、心もち大き目に開いてしまった様なので、今回は2.8mmのドリルで穴を開けた上で3mmのリーマーを通して見た。

そして、偏心棒
偏心棒加減リンクとの連結部分は、フォーク状になっており、この部分をどうするか?
当初、小生は手を抜いてフォーク状に加工せずに済ませ様と考えていたが、railtruckさんは、その部分に真鍮の小片を銀ろう付けして加工されるとのこと。

どうせ作り直すなら、railtruckさんを見倣ってフォーク状にしてみようかと考えたが、小生は銀ろう付けが苦手。
では半田付け?
しかし、半田付けだけでは強度が問題なので、ピン止めを併用するか?
等、考えたが、他に方法は?
最後に考え付いたのは、一体では出来ないか?

一体で作るとすれば、フォーク部の厚みの素材を削って偏心棒の厚みの0.5mmまで削ることになるが、それは出来るか・・・・?

フォーク部の厚みを考えてみると、最低でも、加減リンクの厚みにフォーク2本分の厚みは必要。更に、関節の動きを滑らかにするための若干の余裕も欲しい。と云うことで、具体的には、加減リンクの厚み0.5mm + フォークの厚み0.2mm x 2 + 余裕0.1mmとすれば、1mm厚になる。
つまり、1mm厚板の厚み部分に0.6mmの切込みを入れることが出来れば何とかなりそうだが、幸い0.6mm厚のフライスカッターの手持ちもあるし、フライス工作の習得のためにも折角のFM-80E(A)を使わない手はない。

と云う訳で、1mm厚の真鍮板を捨て板に半田付けをしてフライス加工をしたのが、写真の上部で、外形の整形も終わり捨て板から切り離す段階の偏心棒
上記の通りフォークの厚みを0.2mmにしたのだが、真鍮では強度が足りないかも知れない。素材を1.2mm、フォークの厚みを0.3mmにするか、洋白を使うべきだったか・・・・。

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