1060製作記(8)曲線通過対策1

フル・スクラッチ 形式1060 曲線通過対策

蒸気機関車を模型化する場合、シリンダーと先輪の干渉をどの様に避けるかが問題で、誰もが頭を悩ます点であると云うことは異論のない所だと思う。

そして、今手掛けている1060は、後部床下に大きなエアタンクを左右にぶら下げているため、そのシリンダーと同じ問題を後部にも抱えていることになる。と云っても、そんなことは1060を製作対象に選んだ時から解っていることであり、今更何をと云う感がある。

一方、小生が末席を汚している模型クラブの掲示板で、模型を作る際、図面を描くかどうかについて話題になったことがあった。その際の会員諸氏のやりとりの中で、図面を書かない場合であっても、最急カーブの線路を書いて、その上に乗った車輪の状態を最低限の図面として書いてみるべきだとの意見があったのを思い出した。

曲線通過チェックそこで、1060を下から見た図面にR700の曲線を重ねて描いてみた。するとどうだろう、後部も厳しいがシリンダーのある前部の方が遥かに厳しいことが判った。特に、前方は、当初、シリンダー間隔を21mmにしていたのだが、途中で誤りに気が付いて19.5mmまで狭めた経緯があるだけに、迂闊だった。

思えば、形式27もその点をキチンと考慮せずに模型化してしまったので、はやり曲線通過には難がある
その点を反省しておれば、この様なことはなかった筈だが、図面作成の段階で判明したは不幸中の幸いで、今後、蒸気機関車を模型化する際は、曲線通過対策を常に意識して掛かる必要を痛感した次第

1060製作記(7)パイピング

パイピング フル・スクラッチ 形式1060

コンプレッサー相変わらずDSMネタだが・・・。

コンプレッサーを中心としたパイピングを図面に描くことに挑戦してみた。

幾ら3D-CADと云えども、3次元の空間をクネクネと曲がっている蒸気機関車のパイピングを描き起こすのは難しかろうと思っていた。
そう思いつつも、試しにやってみると、これが意外と簡単。

肝は、空間を走るパイプのルートをどの様に表現するかだが・・・・。
これは、
1)先ずパイプが走る空間と同じ大きさのBoxを描き、
2)そのBoxの3面(側面、上面、正面)に、夫々の方向から見たパイプのルートを描いた上で、
3)そのルートに沿って、Pullコマンドを使ってBoxを削り出す。
4)3面とも切り出し、残った部分の稜線が求めるパイプのルートになる
と云う訳。

上記の3)、4)はDSMSketchUpの経験がなければイメージし難いと思うが、やってみれば思うほど難しくはなく、最近ではDSM1060の図面を描くことが面白くなって来て、手段が目的化して来た????

1060製作記(6)先・従台車

フル・スクラッチ 先・従台車 形式1060

先台車主要なパーツの3D図面化は略完了した筈・・・・。

と云うことであれば、ソロソロ実際の工作に取り掛かっても良いのだが、まだ工作室の整備が終わっていない。と云うより着手することさえ出来ていない。実は、工作室には少し設備投資をして近代化を図ろうと考え、この1060はその後の第一号の作品にしようと目論んでいた。所が、一昨年、嫁に行った娘の持ち物が未だ残っており、早く整理する様に云っているのだが、何時まで経っても放ったらかし。
昭和の男らしく強権発動すれば、ことは簡単に解決するものゝ、実際には張り子の虎状態でそうすることは夢のまた夢・・・・。

この様な状況なので、もう少しDSMで実際の工作をシミュレートしておこうと思う。

1060の前後にある台車の復元装置をどの様に組み込むか?
復元装置と云っても、台車そのものをセンターに戻す機能と台車の向きをセンターに戻す機能の二つの機能が必要だと思うのだが・・・・。
珊瑚模型のキットの2700の従台車には復元装置などはなく、センターピンの孔を左右に広げて横の動きを可能にしているだけなので、敢えて組み込まなくても問題はなさそう。となれば手を抜けるのだが。

1060製作記(5)弁装置3

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

先週は毎日の様に釣りをする時間帯になると強い風が吹き、結局一度も釣行出来ずじまい。
その分、鉄模に時間が割けた訳だが、スティーブンソン弁装置については納得の行く作図が出来なかった。と云うのも、2Dの図面で動きを確認した各パーツ、例えばこのスティーブンソン式弁装置で云えば、吊りリンク、加減リンク、偏心棒等々を夫々3D図面に描き起こし、そのパーツを組み立ててスティーブンソン式弁装置の3D図面にするのだが、どう云う訳か、他の部分と干渉したりして上手く行かなかった。
実際には、工作精度の問題があったり、あるいは遊びを少し大きめに取ることによって避けられることだろうと思うが、図面上だけでもキチンとしておこうと、変に拘ってしまった。

余りこんな所で時間ばかり取られるのも・・・・と思っている所にタイミング良くrailtruckさんから動きを楽しむだけなら難しく考える必要はないとコメントを頂き、割り切れた次第。

Stephenson弁装置と云う訳で、図面は出来た。
しかし、実際に可動する弁装置を作り込むことを前提とすると、別の新たなる問題があることに気が付いた。

分解・組立はどうしよう?

これに限らずスクラッチの場合は、上回りと下回りをどの様に分割するか頭を悩ますことが多いが、それにもう一つ厄介な条件が加わったことになる。

1060製作記(4)弁装置2

フル・スクラッチ 弁装置 形式1060

スティーブンソン式弁装置の作図の段階で、思わぬ所から小生自身の無知振りを曝け出してしまい、聞くは一時の恥と云うものの、誠にお恥ずかしい限りで・・・・。

しかし、 railtruckさんから頂いたコメントや参考になるHPのURLを見て弁装置の動きそのものは理解出来た。と云うか、そのHPからダウンロードした弁装置をシミュレートする動画が面白くて、思わず見入ってしまった。
所が、具体的に図面にしようとすると、例えば偏心棒の長さ、加減リンクの大きさやRをどの様に求めれば良いのか皆目見当がつかない。

そこで、この所懇意にして頂いている湘南鉄道模型クラブS氏にメールを差し上げ、氏がどのようにされているのかお尋ねしてみた。
すると、ご親切にも以前スクラッチされた5700や現在手掛けておられる2040の弁装置周りの図面を送って下さった。
S氏の作品は、弁装置の動きも見事に再現されており、現物を拝見した際にも13mmの一際狭いフレームの間に弁装置を稼働させるメカを精緻に組み込んでおられ、出て来るのは只々溜息ばかりだった。

Stephenson弁装置-04そんな作品をスクラッチされる際に描かれた図面を送って頂いたからには何としてでも・・・・・と意を新たに、送って頂いた図面を見ながら、あーでもない、こうでもないと無い頭を捻りつつ何とかそれらしく描き上げてみた。

図の左から中立、前進、後進、縦にそれぞれ90度ずつ回転させた場合をシミュレートしてみた。
一見すると、これで上手く稼働する様に見えるが、前進モードの最初の段階で引っ掛かって上手く動かないのではないか・・・。つまり、加減リンクと吊りリンクの結合点を一点、加減リンクの上下にある偏心棒との結合点二点で作られる三角形の大きさや向きは変わる筈はないのだが、ここだけその三角形が裏返ってしまっている

弁装置を作り込むとしても、小生の技量では中立の状態で作ることが出来れば御の字で、そこまで拘るのは無駄な様にも思えるが・・・。

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