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1060製作記(89) サイドタンク – 1

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

若干スムーズさには欠けるし、スローも効かないが、取り敢えず前後共問題なく動くので、上回りの製作に入った。

古典機の場合、リベットの打出しは避けて通れない所で、この形式1060も厭と云う程あちらこちらにリベットが打たれている。

先ず、リベットを打出す方法ための打出し器だが、諸先輩方はクロス・テーブルを備えた立派なものを自作されている。小生も、形式1060をスクラッチするに際して、自作し直すことを考えていた。
しかし、結局、10年以上も前の2003年に作った打出し器手を加えることでお茶を濁してしまった。

この打出し器でリベットを打出すには、罫書き線にピンの位置をピタリと合わせ、更に材料の送りに伴って罫書き線からずれない様にするのが、大変な作業。と云っても、形式27形式5230をスクラッチした時は、それ程苦労にも思わなかった。しかし、今回はことの他時間が掛かってしまい、目の衰えを殊更に実感させられてしまった(涙)

次に、リベットを打出される側の材料に何を選ぶかだが、今回も0.2mm厚の燐青銅の板を使った。

リベットを綺麗に打ち出すには、材料は出来るだけ薄い方が良いと考えているのだが、だからと云って0.2mmの真鍮板では、少々心許ない。
と云うことから考えると、少し硬めだが張りのある材料として洋白か、あるいは、燐青銅が候補に挙げられる。今回も0.2mmの洋白も準備していたが、過去に使用した実績から今回も燐青銅を使うことにした。

1060-085で、手始めにサイドタンクのリベットを打ってみたのが、この写真。

クロス・テーブルのない打出し器なので、やはり、交点が若干ズレている所があり、気になる。と云っても、現在の打出し器では、これ以上精度を高めるのは、労多くして功少なしになる筈・・・。

又、リベットとリベットの最少間隔は0.5mmにしたが、0.4mmでも良かったかも知れない。