2014/03/04
セミ・スクラッチ 形式5230
この製作記の104回のコメントでYukiさんから、バランスウェイトの形状が違っている旨のご指摘を頂いた。
そのコメントに対する返信にも書いたが、蒸気の古典機を作成する場合に、最も大きな問題が、如何にして題材とした蒸気にピッタリの動輪を手に入れるかではないかと思っている。
つまり、動輪を選択する場合、
イ)動輪の径
ロ)バランスウェイトの形状
ハ)スポークの本数
ニ)厚み
の四点がチェック・ポイントとなるのだが、小生は動輪の径を最優先としている。
この様な事から、この5230の動輪は手持ちの17mmの4軸を流用した。
従って、バランスウェイトの形状もスポークの本数も違っているが、ここは目を瞑っていた。
そして、Yukiさんからご指摘を頂いた訳であるが、実はその後直接メールで既存のバランスウェイトを削り取って、形状を合わせた真鍮版を貼る方法を教えて頂いた。
しかし、貴重な動輪を下手な腕前でオシャカにしてしまうのが怖くて、ズーッと迷っていた。でも、やって見なければ・・・・・・。
と云うことで、今日、意を決してやといを作り動輪を旋盤にセットして怖々と手回しでバイトを当ててみると・・・。
意外や意外、簡単に削れるではないか!!!
勿論、送りをほんの僅かにしてだが。
もっと大ごとになると思っていたが、慎重にすればそれ程大した作業でもなく、模型の完成度も上がることが判った以上、バランスウェイトの形状の違いには目を瞑ってなどとうそぶいている訳にも行かないので、この5230の動輪のバランスウェイトの形状を扇形にすることにした。
所で、小生は、今の今までD50用の動輪を流用したとばかり思っていた。しかし、実測してみると直径は17mmで、D50用にしては0.5mm小さいことになる。
幸い、5230の実機の動輪の直径は4’6”、137cmなので、17mmがぴったりのサイズで寧ろ好都合だったのだが、一体何用の動輪だったのだろうか?
2014/02/26
セミ・スクラッチ 形式5230
古典機には、銘鈑が貼られていることが多く、この5230は6120の改造機だが銘鈑が残されている。しかも、実物の写真を見ると結構目立っている。
銘鈑が手元にあれば、当然、手を抜くことはないが、生憎その様な洒落たものの持ち合わせはないので、目を瞑って手を抜く積りだった。
しかし、試験走行でヨチヨチながらも走っている5230を見ていて、やはり何か物足りなさを感じた。
そこでキットのスプラッシャーカバーにエッチングで彫り込まれている銘鈑部分を切り抜いて貼ってみた。
厚みもあり過ぎる上、銘鈑の枠しか表現されていない。サイズももう一回り小さければピッタリなのだが、それでもないよりはあった方がズット良いのでは・・・・・。
所で、ウェイトをどの様に積むか・・・・。
先輩モデラー諸氏も、4-4-0の軸配列の蒸気の場合の牽引力確保には、色々と苦労されている様に、結構難しい問題であるが・・・・。
2014/02/20
セミ・スクラッチ 形式5230
レールに乗せずに無負荷の状態では、動輪の回転具合は良かったので、いよいよレールに乗せた状態での走行チェックをすることに・・・・。
やはりと云うか、当然と云うか・・・・、ウェイトを全く乗せていないので、動輪が空転するのは止むを得ないが、ギクシャクしてスムーズな走行が出来ない。
単体で裏返しにした無負荷の状態と違って、レールに乗せた状態では、キャブやボイラーなどの上部側の荷重が掛かって僅かと云えども沈む込む格好になるだろうし、レールの凸凹した部分を通過する際に可動部分の動きが加わって新たに接触してショートする個所が出て来てもおかしくはない。
寧ろ、小生の様に好い加減な工作をしていると当たり前のこと・・・・・。
で、改めて可動部分を中心に点検してみたが、それらしい所が発見出来ない。
ものは試しと、レールに乗せた上で部屋の電灯を消して真っ暗な状態にして通電して見た所、動きが引っ掛かった際、テンダーの車輪付近で青い火花がパチパチと光っている。
テンダーでショートしているとは考えもしなかったので意外だったが、テンダーをバラシてみた所、写真にある通りイコライザーに何やら汚れた部分が・・。
実は、このテンダーにはロンビクイコライザーを組み込んでみたのだが、工作精度の悪さ故にイコライザーにフラツキがあって、そのために絶縁側の車輪の裏側に接触してショートを起こしているらしい。
完成間近になってロンビクイコライザーを改めて作り直す気も起きないので、お菓子のパッケージで絶縁ワッシャーを作って車軸に嵌めこんだ結果、冒頭に書いた様なギクシャクはほゞなくなった。
後はウェイトを積んで慣らし運転をすれば、快調に走る筈だが・・・????
2014/02/18
セミ・スクラッチ 形式5230
走行状態をチェックするには、いきなりレールに乗せて走らせてみる前に、負荷を掛けない状態で動輪がスムーズに回転するかどうかを確認する必要がある。
そこで、ロッドを取り付けた上で通電した所、ロッドが真上に来た時に引っ掛かりがある。
こんなことは、好い加減な工作をしている小生の作品では良くあることで、全く驚くに当たらず、この状態を如何に上手く誤魔化すかが腕の見せ所・・・(笑)
で、よくよく状態を観察してみると、ロッドピンの頭がランボードに接触していることが判った。
つまり、英国系の古典機では、動輪の直径よりも低い位置にランボードが取り付けられていることが多く、ランボードのその部分を欠き取って干渉を避けている。
当然、模型化する際も欠き取る訳だが、動輪の厚さ、ロッドの厚さ、ロッドピンの大きさなどオーバースケールになっている部分が集中している個所なので、スケールよりも大きく欠き取る必要がある。
小生も、そうした筈なのだが・・・・・。
そこでモーターツールを使ってギリギリまで欠き取り部分を拡げたが、動輪の傾き具合ではやはり軽く接触している。
残る対策は、ロッドピンの頭の厚みを薄くすること。
実は、ロッドピンの頭の形状には以前から不満があった。
ロストワックスのパーツを多用するなどして幾ら精密に作っても、ロッドピンが所謂普通の木ネジの頭の様に一文字の切込みが入っている形状のピンでは、正に臥龍点睛を欠くことになると考えている。
こんなことを1月12日に出席させて頂いた湘南鉄道模型クラブさんの新年運転会でぼやいた所、丁度その運転会に見えていた森井義博のホームページの主宰者の森井さんから良い方法を教えて頂いた。
つまり、
1)ロッドピンの中心に0.5mmの下穴を開け、
2)トルクスレンチの最も細いT1でコツンと叩く
と云う方法。
どうせロッドピンの頭を薄くしなければならないなら、森井方式で作り直してみようと、トルクスレンチを手に入れて作ったロッドピンが写真のもの。
これまでの木ネジの様な頭のロッドピンよりも遥かに実感的なものになったし、頭を薄くした効果があって接触もなくなった。
2014/02/06
セミ・スクラッチ 形式5230
と云う訳で、ブレーキ釣りの長さを0.8mm詰めた。
長さを詰めただけではプロポーションが変わってしまうので、幅を0.2mm狭くして印象が大きく変わらない様にした。
更に、動輪の踏面と制輪子との隙間を狭めるために、位置決めのための冶具の直径を0.5mm詰めた。
これで、動輪の直径より1mm大きくなった訳で、動輪の踏面から0.5mm離れたことになる。
以上で、レールと接触することはなくなったし、動輪とブレーキの位置関係もマァマァ不満のない所まで追い込むことが出来たと思う。
残るは、ドローパーの作り直し・・・・・。
これで、5230の工作は完了となる筈で、その後の走行状態のチェックと改善、そして塗装で完成!!!
2006/04月にスタートした5230の製作も約8年掛かって、漸くゴールが見えて来た!!
« 古い記事
新しい記事 »