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1060製作記(130) 煙室関係 – 5

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

煙室に固定する方法だが、この形式1060のスクラッチを考えた当初は、燐青銅線のバネで固定することにしていた。
所が工作が進み、の製作がほゞ終わった段階では、を取り外してメンテナンスしなければならない場面が思い付かないので、敢えて脱着可能にしておく必要もなかろうと考え、半田付けしてしまおうかと思っていた。

そして、その前提で位置決めのためのジグを、の裏側に半田付けしようとしていて、フトと気が付いた。
そのジグは煙室の内径にピッタリなので、これだけでは固定出来る筈。であれば、敢えて煙室に半田付けをしてしまう必要もないだろう。
幸い、ジグは煙室を丸める際に作ったものが流用出来る。

と云う訳で、railtruckさんに頂いたコメント対する返信に書いた様に、嵌め込み式にした。

1060製作記(129) 煙室関係 – 4

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

8月に入ってから梅雨に戻った様に雨模様の日が続き、釣りに行こうにも行けない毎日。そこで、遅れ加減だった鉄模に専念することにして、ヒンジの作成をしていたが、これが思いの外難物で、結局、こんな小さな部品を作るのに1週間も費やしてしまった。

ヒンジの構成は、凹型をした関節とその関節と扉を繋ぐための帯板とした。

で、先ず関節だが、どの様にして作るかその具体的なイメージが浮かんで来ず、これで2日程費やしてしまった。これでは文字通り下手な考え休むに似たりで、考えてばかりでは工作が進まない。兎に角やってみようと見切り発車。

最初は、1mm厚の真鍮板のコバを0.6mm厚のスリワリフライス状に欠き取り、削り残した状の屋根の部分と底の部分に、関節と帯板を連結するシャフトを通すための0.3mmの穴を開ける手順でやって見た。
この方法は、屋根と底の厚みが0.2mmしかなく剛性がないため、ドリル刃の圧力に負けて曲がってしまい、所定の位置から外れて穴が開く結果になってしまった。次に、それを防ぐために、欠き取った部分に0.6mmの真鍮板を挿入した上で、0.3mmの穴を開けたが、どうも出来が良くない。
そこで、順序を逆にして、0.3mmの穴を開けてから欠き取る方法によったが、今度は欠き取る量が少なかったり、欠き取り部分がコバのセンターからずれていたり等々・・・・

まぁ、何回作り直したことか!

最終的には、1mmのエンドミルで外形を削り出した後、0.3mmの穴を開け、材料の真鍮板を縦にセットし直して、0.6mmのエンドミルでコバを削った。この方法によっても、0.3mmのドリルで1mm厚の板を貫通させると、穴の位置が表と裏とでは若干ずれてしまうが、5~6個作り、ズレの少ないものを選んだ。

関節部分は、これで何とか様になった。

次に関節と扉を連結する帯板だが、これは0.2mm厚の真鍮板にリベットを打ち、そのリベットを頼りに大まかな帯板にした上で、0.6mmの真鍮板のコバに半田付けをして、0.6mm幅に整形した。実際には、これも2度作り直した。
写真で見るとリベットの位置がセンターからズレているが、これには目を瞑った。

こうして何とか、扉を作ったが、次はこの扉を煙室に、どの様に固定するか?
当初は、半田付けしてしまう積りだったが、これで良いのか?

1060製作記(128) 煙室関係 – 3

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

実機では、扉を煙室の妻板にクリートを固定する構造になっていると了解しているが、この構造を模型で表現するのは、小生の腕では到底出来る筈もない。
そこで、前述の通り妻板となる1枚目と2枚目、扉となる3枚目と4枚目を半田で固定して、妻板と扉を一体にすることにしていたが、それに先立って、2枚目と3枚目を半田付けした。

と云うのも、8個あるクリートの出来を確認したかったのがその理由。
クリートは0.6 X 1.0 X 0.7mmの小さなもの故、その形状の出来映えの悪さは、肉眼で見る限り余り気にならない。しかし、こうして写真で見ると、少しサイズが小さ過ぎた様で、苦労して作った割には存在がパッとしない。

一応、1/80のスケールモデルを目指してはいるが、一回り大きくしてデフォルメしても良かった様な・・・・・・

尚、工作する積りだったヒンジについては、作り方の良いアイデアが浮かんで来ていないので、次回以降に順延することにした。

1060製作記(127) 煙室関係 – 2

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

煙室扉のパーツを作った。
扉は写真の様に4枚の貼合わせで、左から0.4、1.0、0.5、1.0mm厚の真鍮板を使った。

作り方は、
1)素材の真鍮板をヤトイを介してML-210三つ爪チャックに咥えて、所定の径の円盤に仕上げた後、三つ爪チャックごとML-210から取り外し、
2)そのまゝ、FM-80E(A)のテーブルにセットした割り出し円テーブルに固定して、ボルト用の穴を開けた。
この作業を、左から3枚について行った。右端は割り出す必要がないので、ヤスリで形を整えた。

ここまでは、比較的簡単な作業だが、問題はクリートヒンジ
クリートは、幅0.6mm、長さ1.0mm、厚さ0.7mmの真鍮板の中央に0.4mm径の穴を開けたものを8個作らなければならない。しかも、この極々小さなパーツを楕円状に仕上げ加工する必要もある。

写真の4つの扉のパーツの上に写っているものが、取り敢えず作ったクリートで、紛失を防ぐために0.4mmの真鍮線に串刺しにしている。

最初は、0.6mm厚の真鍮板のコバに0.4mmの穴を開けようと考えたが、FM-80E(A)を使わない手はないと、考え直した。
作り方は、
1)0.7mm厚の真鍮板を、1mm厚の捨て板に半田付けをし、
2)0.4mm径の穴を1.6mm間隔で予備を含めて10個開け、
3)開けた穴と穴の中央を1mmのエンドミルで切削し、
4)その後長さが1mmになる様に上下を切削。
で、3)、4)の切削の際は、切込みの総量を0.6mm程度に抑えて、0.1mm程度残る様にした。と云うのも、これだけ小さなパーツになるので、幾ら半田付けをしているとは云え、完全に切削してしまうと、エンドミルの衝撃に負けてしまって、捨て板から剥がれて飛んで行ってしまう惧れがあったのが理由。

工作が終わった後は、0.4mmの真鍮線に串刺しをしてから、バリ取りをし、角に軽くヤスリ掛けをして面取りをした。本来ならば面取りではなくフィレット掛けすべきだが、そこまでの技量がないので妥協したもの。

次回は、ヒンジの作成。

1060製作記(126) 煙室関係 – 1

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

煙室の工作を行った。

当初は、煙室はパイプから削り出そうと考えたが、次の理由から、キャブ周りと同じ様に、0.2mm厚の燐青銅板にリベットを打出した後、円筒に曲げて作った。

そしてその理由だが・・・・。
先ず、煙室には並んでいる沢山のリベットの表現方法をどうするか?
多くの先輩諸氏が、0.3mmの真鍮線を植え込んで表現されているので、小生も倣ってそうする積りでいた。
所が、この場合、当然のことながら0.3mmのドリルで沢山の穴を空ける作業が必要となる。位置決めは割り出し器を使えば良いので、この点は心配はない。しかし、0.4mmであれば何とか出来ると思うが、0.3mmでは何本のドリルを折ってしまうか、甚だ自信がない。また、穴開けが上手く行き、真鍮線の植え込みも出来たとしても、更に、頭を揃えた真鍮線を一本一本丸く加工する必要もあるが、そのための工具の持ち合わせがない。

これに対して0.2mm厚の燐青銅板を使う場合は、キャブ周りと同じリベット打ち出し器を使うので、キャブ周りとリベットの形状が同じになり、この点は具合が良い。しかし、問題は綺麗なパイプ状に曲げられるか?

と考えると、燐青銅板にリベットを打ち出す方法の方が、手間は少ない。

と云う訳で、当初の計画を変更して、燐青銅板を使ったのが写真。

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