1060製作記(93) 側板 – 1

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

1060-089側板の作成に移った。

妻板と同様、0.2mmの燐青銅板を捨て板に半田付けした上で、フライス盤で切削することにした。

切削方法だが、当初は、左右対称形なので、以前YUKIさんから教えて頂いたトンボでやろうと考えた。
この場合、40mm X 110mmの板を固定する必要がある。所が、生憎、小生が保有しているバイスでは、板が大き過ぎて安定して固定することが出来ない。そこで、燐青銅板を重ねて捨て板に半田付けをした上で、左右の側板を同時に切削することにした。

写真の側板は、実は、2作目のもので、最初のものは、材料の固定が甘かったと見えて、切削の途中で、エンドミルの力に負けて材料が動いてしまって、残念ながら失敗。止むを得ず切削し直したもの。

そして、リベットの打出しに掛かった訳だが、妻板の場合と同じ様に30倍のルーペを用いて、慎重の上にも慎重に位置決めをした。そのために、左右の側板のリベットを全て打つのに、1日半も要してしまった。と云っても、年金生活者の身なので、時間が掛かることは特に問題ではない。しかし、緊張する作業を集中力を切らさずに行ったので、些か疲れてしまった。

しかも、最後に打った水槽の接合線が見事に波打ってしまって・・・・(涙)
特に、写真の左側のラインが細かく波打っている。目立つ部分である上、その原因も解っているので、作り直しをしたいが・・・・・、何となく、億劫。

1060製作記(92) 妻板(前) – 2

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

1060-088妻板ばかり沢山作っても工作が滞るだけなので、良い加減の所で手を打たなければと思いつつ、3作目を眺めていたが、どうにも気に入らない。

幸い、365連休の身には時間だけはある。と云っても、釣りにもかなりの時間を取られるので、結構限られているのだが・・・・。

と云う訳で、良くても悪くてもこれが最後と第4作目の工作に入った。

これまでと同じ様に、先ず、窓やドア、ボイラー用の円状の欠き取りを行ったが、4作目ともなると手慣れたもので、手早く済ませることが出来た。と云っても、1.5mmのエンドミルを使うべき所、1.0mmのエンドミルを使って窓抜きをしたので、実質的に窓抜きは2度行ったことになるが・・・。

その後、リベット用の案内線を罫書き、リベット打出し器を用いてリベットを打出した。その際の打出し器のピンと罫書き線の位置合わせは、前回までは目視で行っていた。そのために位置合わせがキッチリと出来ていなかったが、この辺は小生のいい加減な性格のなせる業で、まぁこんな物だろうと工作を進めた結果、交点などにズレが生じてしまった。

そこで、今回はルーペを用いて慎重に位置合わせを行った。時間は多少掛かったが、今回は上手く出来たと思う。急がば回れとは正にこのことで、これからの工作に活かしたいと思う。

1060製作記(91) 妻板(前) – 1

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

1060-087妻板(前)の製作で、躓いてしまった。

写真左が、最初に作った妻板だが、屋根のカーブに沿って打つべきリベットが大きくずれてしまったので、ボツ!!

次に作ったのが、写真の右。
これは、エンドミルの送りを間違えて、向かって左側のドアの下部を削り過ぎてしまった。この場所は、サイドタンクの陰になって直接目に触れることはないので、このまま作業を進めた。
所が、ボイラーが嵌め込まれる円状の欠き取が、右側にズレてしまった。工作の手順から、ズレる要素はないので原因が分からないのだが、結果としてズレているし、このズレは誤魔化す訳には行かないので、これまたボツ!!

そして中央が第3作目の妻板で、窓抜きやボイラー用の欠き取は上手く行ったので、慎重にリベットを打つ作業に入った。
第1作目で失敗した屋根のカーブに沿っているリベットは、同じ轍を踏むのは愚の骨頂。今回は、リベット打出し器に若干手を加えて同心円状に材料を送れる様にした結果、間隔が多少揃っていない所もあるが、まぁ、合格。

所が、縦横のリベットが交差する点が、僅かだがズレてしまった(涙)
先輩諸兄の様にXYテーブルを備えたリベット打ち出し器であれば、この様なことはなかったかも知れないが、小生の自作した打ち出し器は一方通行タイプなので、材料を90度回転させなければならず、どうしてもズレてしまう。

このまゝ、工作を進めるか、第4作目に掛かるか・・・・。

1060製作記(90) サイドタンク – 2

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

1060-086サイドタンクの組み立てを終わった。

サイドタンクの裏側やキャブの妻側の直接目に触れない部分は、0.4mm厚の真鍮板を使い、当然リベットは省いた。

給水口は1.0mmと0.2mmの真鍮板の組み合わせで、上部の取っては0.3mmの洋白線を用いた。
小生はこれまで0.3mmのドリルを使うことは殆どなかった。
と云うのは、折れ易くて使いこなす自信がなかったのがその理由だが、今回ルーマー型のドリルを手に入れたので、フライス盤FM-80E(A)で使用してみた所、難なく開けることが出来た。本来は、ボール盤を用いるべきだが、ボール盤を設置する場所がない。と云う訳で、フライス盤を用いたが、これでも問題はなかろう。
と云う訳で、今後は、0.3mmを使用する機会が増えるだろうと思う。

手を焼いたのは、タンク正面に付いているステップ。0.2mm厚の真鍮板にリベットを打ち出した後、外形を切り抜き、90度に曲げる訳だがその方向がリベット側であるため、どうしても角度が甘くなってしまった。また、糸鋸で切り離す際、ピンと飛ばしてしまうことがあって。作り直すのも何度か・・・。

組み立ては、コバが目立つのが嫌なので、角を45度に削って突き合わせた。
高年齢故の遠視のためか、肉眼で見る限りはそれ程粗も目立たなかったが、こうして写真に撮って見ると、ご覧の通りもう一つも二つも出来が悪い。

1060製作記(89) サイドタンク – 1

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

若干スムーズさには欠けるし、スローも効かないが、取り敢えず前後共問題なく動くので、上回りの製作に入った。

古典機の場合、リベットの打出しは避けて通れない所で、この形式1060も厭と云う程あちらこちらにリベットが打たれている。

先ず、リベットを打出す方法ための打出し器だが、諸先輩方はクロス・テーブルを備えた立派なものを自作されている。小生も、形式1060をスクラッチするに際して、自作し直すことを考えていた。
しかし、結局、10年以上も前の2003年に作った打出し器手を加えることでお茶を濁してしまった。

この打出し器でリベットを打出すには、罫書き線にピンの位置をピタリと合わせ、更に材料の送りに伴って罫書き線からずれない様にするのが、大変な作業。と云っても、形式27形式5230をスクラッチした時は、それ程苦労にも思わなかった。しかし、今回はことの他時間が掛かってしまい、目の衰えを殊更に実感させられてしまった(涙)

次に、リベットを打出される側の材料に何を選ぶかだが、今回も0.2mm厚の燐青銅の板を使った。

リベットを綺麗に打ち出すには、材料は出来るだけ薄い方が良いと考えているのだが、だからと云って0.2mmの真鍮板では、少々心許ない。
と云うことから考えると、少し硬めだが張りのある材料として洋白か、あるいは、燐青銅が候補に挙げられる。今回も0.2mmの洋白も準備していたが、過去に使用した実績から今回も燐青銅を使うことにした。

1060-085で、手始めにサイドタンクのリベットを打ってみたのが、この写真。

クロス・テーブルのない打出し器なので、やはり、交点が若干ズレている所があり、気になる。と云っても、現在の打出し器では、これ以上精度を高めるのは、労多くして功少なしになる筈・・・。

又、リベットとリベットの最少間隔は0.5mmにしたが、0.4mmでも良かったかも知れない。

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