1060製作記(142) 煙突・ドーム – 7

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

自作のFlyCutterを使って、ドーム作成に取り掛かった。

1)材料の真鍮棒を、ドームの裾の最大径に合わせ直径14mmに切削した上で、中心に端面から9mmの深さまで径6mmの穴を空けた後、端面から14mmで切断。
2)切り出した円筒を、横に寝かせた状態でフライス盤(FM80E-A)に固定し、端面をFlyCutterで垂直に切削。
3)その後、中心に空けた穴に径6mmの真鍮棒を挿入して、LocTite243で固着し、挿入した真鍮棒を、旋盤(ML-210)のコレットで咥え、円筒の高さを12.7mmに整形した後、径11.5mmに8.05mmまで再度切削。
4)この後、手作業で裾の形をそれらしく整形。

裾の整形が上手く出来ればドームの上部を丸く切削して出来上がりと云う訳だが・・・・。

写真では、何とか出来ている様に見えるが、実は2)の工程で、切削位置が少しセンターから外れている。本来なら、この時点で作り直すべきだが、4)の工程が未経験であったので、勉強のために裾の整形もやって見た。

この裾の整形作業では、手持ちの丸や半円のヤスリ、ルーター等を総動員したが、あちらこちらに疵が入ってしまって、出来がもう一つ。

この部分は手作業なので、どんなに注意深く慎重に工作を進めたとしても、一つや二つの疵が入ってしまうのは避けられないだろう。
であれば、例えばドームの径を、所定の寸法より僅か、例えば0.1mm程余裕を持って切削した上、裾を仕上げた後、所定の11.5mmに仕上げること位しか思いつかないが・・・・。

1060製作記(141) 煙突・ドーム – 6

フル・スクラッチ 形式1060 道具・冶具等

ドームの裾の整形が上手く出来ず、暗礁に乗り上げ二進も三進も行かなくなってしまい、釣りにばかり精を出している内に、年も改まり・・・・。

と云う訳で、新年の挨拶に湘南鉄道模型クラブの運転会に伺ってSNさんに裾の整形方法をお訊ねした所、ヤスリでやっておられるとのこと。

その際、SNさんから、これまでの作品はどうしていたのかとの質問を頂いた。
これまで、小生が採っていた方法は、ドームの裾部分を薄く中繰りをして、焼き鈍しをした上でプレスすることだった。この方法では、ドームの高さがスケール通りには仕上がらないことが多いが、正直な所を云うと、これまでは、多少の寸法違いがあっても、全体的な雰囲気が損なわれていなければ、それで良いと考えていた。
所が、一昨年かその前のKKCの総会の際、TMS誌に何度も素晴らしい作品を発表されているTKDさん誤差の許容範囲を0.05mmにしていると仰っているのが記憶の底に残っていて、今回の1060形では、その0.05nmmの誤差を目標に着手した経緯がある。
となると、これまでの様な好い加減な方法では、到底無理な相談なので、別の工作方法を考えた結果、冒頭の様に暗礁に乗り上げてしまったと云う次第。

ヤスリで整形する方法は、確か、横濱鐡道NKMRさんも採用されていると伺った記憶がある。鉄道模型のベテランのお二人も色々と考え試された挙句、この方法に落ち着いた筈で、そう考えると、小生の様な駆け出しが良い方法を考え出せることなどある訳がない。

そこで、お二人に倣ってヤスリを使う方法で再度挑戦することにした。

言葉でその手順を説明するのは、難しいが、何れにせよドームを正面から見た場合のボイラーとの接点のカーブは、ドームに加工する真鍮棒の端面をFlyCutterでボイラーの径に合わせって、切削することになる。

そのためには、FlyCutterが必要になるが、生憎、小生はボイラー径の18mmを切削出来る小さなFlyCutterを持ち合わせていない。

そこで、FlyCutterを自作することにした。

本体の材料は、快削鋼の端材でシャンクの径を10mm、バイトを咥える部分を12mmにした。

バイトは折れたエンドミルでシャンク径は4mm。刃先はグラインダーで適当に削った。

これで試しに真鍮の端材を切削した所、問題がなかったので、次回は、ドームの裾繰りに取り掛かろうと思う。

(追伸)
ドームの裾が上手く出来ず暗礁に乗り上げてしまったことは、昨年の11月20日のブログに記した通りだが、そのブログにゆうえんさんがコメントを寄せて頂いていたことに、今の今まで全く気が付かず、大変失礼なことをしてしまった。

本当に申し訳のないことをしてしまい、心からお詫び申し上げたいと思います。
これに懲りずに色々なご助言を頂ければと、お願い致します。

1060製作記(140) 煙突・ドーム – 5

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

ドームの裾の加工に入った。
ドームの外形を整えた後、先に作った冶具に固定して裾を叩いてボイラーの径に合わせる作業だが、大きな間違いをしていることに、気が付いた。
この段階になって、やっと気が付くのは、お粗末極まりなく恥ずかしい限りだが・・・・・

と云うのは、ドームに合わせようと裾を叩き伸ばしても、長さが足りなくてドームには届きそうにもない。あるいは届いたとしても、直線状になって微妙な曲線がなくなってしまう。

改めて、図面を見てかなり長さが足りないことを確認したが、こうなると、裾を叩き出す方法では無理だと云うことになる。

何か、良い方法はないものか?

そこで思い付いて、平岡幸三氏『生きた蒸気機関車を作ろう』を見た所、ボイラーと接する部分は旋盤で削った上で、問題の個所はヤスリで削ると記載されている。
平岡氏ほどのベテランモデラーでもこの方法を採っておられるのであれば、やはりこの方法が良いのだろうか・・・・?

何れにしても、また戻って、煙突の裾からやり直し!!!

1060製作記(139) 煙突・ドーム – 4

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

この蒸気機関車の蒸気ドームは大小2個あるが、大きい方から作り始めた。

先ず、ドームを作るための冶具を快削鋼から削り出した。快削鋼は随分前に買っておいたストックで、出番がなくて錆が浮いていたもの。このまゝでは無駄になってしまう惧れが強いので、工作用の冶具の材料にしようと思っている。

写真では判り辛いが、コレットチャックに咥えているものがその冶具で、ドームはその冶具に2mmビスで固定している。

冶具の断面の形状は、凸形をしており、その細くなった部分をコレットチャックに咥え、その中心に2mmビス用の穴を貫通させている。

この冶具をドーム工作に掛かる前に作ったのだが、実は、出番は工作の後半で、前半は材料の真鍮棒を三つ爪チャックに咥えて、ドームの裾の外形整形と中繰りが主な工作内容。中繰りは煙突の裾と同様、ヤスリを加工したバイトを手で保持して行った。また、冶具に固定するための2mmのネジ切りも、この段階で済ませておいた。

ここまで工作したものを、三つ爪チャックから取り外した後、冶具に2mmビスで固定した上で、コレットチャックに咥え直して、ドームの上部を丸く加工した。
上部を丸く切削する工作は、事前に作っておいた型紙を当てて形を確認しながら、ヤスリで少しづつ削った。

写真は、この段階のもので、この後、問題の裾をボイラーのカーブに合わせて曲げる作業になる。

1060製作記(138) 煙突・ドーム – 3

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

煙突の裾の作り直しをして来たが、これが、思いの外難物。
何個作っても裾のカーブの具合が気に入らず、今、机の上に4個も転がっている。その他にも裾の中繰りをしている際に、勢い余って表まで付き抜けて、お釈迦にしてしまったり・・・・・。

写真は幾つか作った裾の中でも、比較的上手く行った方だが、裾のカーブの具合は、前回の写真のものが綺麗に出来ている様に思う。

と云って、煙突の裾にばかり拘っている訳にも行かず、気分転換のためにも、蒸気ドームの作成に取り掛かろうかと思っている。

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