※ カテゴリー別アーカイブ:上回り ※

1060製作記(189) ブレース(2)

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

左右のブレースの角度のズレについては、公式側の位置を調整して、何とか目立たない程度に修正し、煙室との接続部のフランジの作成に入った。

このフランジは、直径2.0mmの円盤の中央に直径0.8mmの穴を空け、その周囲に0.4mmの穴を十文字に4ヶ所空けるだけで、難しいものではない。これまでも、大小の違いはあるが、何度も手掛けていることもあって、簡単に済ませることが出来ると思っていた。

所が、どうしたことか、今回は思いの外、手古摺ってしまい、何組失敗したことだろう。しかも、0.4mmのドリル刃を4本も折ってしまって、正直、少々嫌気が差して来ていた。

工作そのものは、これまでと同じ様に、フランジの厚さ(今回は0.2mm)の真鍮板の小片を直径4mmの真鍮棒の端面に半田付けをして、ML-210で直径2mmになるまで切削していた。所が、ソロソロ目標の2mmになろうかと云う段になって、半田がポロリと取れてしまって・・・・・。

気を取り直して、同じ手順で2mmまで切削して中央に0.8mmの穴を空け、自作の簡易割り出し器にセットした上で、FM80E(A)を使って周囲に0.4mmの穴を空けた。しかし、出来上がりをチェックしてみると、0.4mmの4つの穴が少し中心からズレてしまっている。
きっと、FM80E(A)にセットする際に芯出しが上手く出来ていないまゝ0.4mmの穴を空けてしまったのだろうと軽く考えて、再々度、慎重に芯出しをした上で工作をしたのだが、何故か結果は変わらない。

ズレの原因が判らず、ここからが、ズブズブと泥沼状態に陥ってしまった。僅かにガタがあった簡易割り出し器を作り直して見たり、芯出しの方法を変えて見たり、直径2mmの真鍮線に直接加工してみたり・・・・。

何度、やり直しをしても一向に原因が判らず上手く行かず、失敗した幾つかのフランジを手に、どうしようかと考えていた時、出来の良さそうなものが2個あることに気が付いた。
そして、改めて作り直すことは諦めて、その2個を使って工作を進めることにした。

だが、妥協の産物の故か、どうも出来の甘さが気になってしまう。

1060製作記(188) ブレース(1)

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

この形式1060に限らずアメリカン・スタイルの古典機には、煙室側面からフロント・ビームに掛けて斜めに支柱(ブレース)が設置されていて、外観上の特徴にもなっている。
前回の工作の続きとすれば、今回はコンプレッサーの前方に取り付けられているチリコシの固定になる筈だが、チリコシを固定してしまうとブレースの取り付けに支障がありそうな気がしたので、ブレースの取り付け工作を先にすることにした。

と云っても、ブレースの具体的な取り付け方法をどうするかは、まだ決めていない。
考えられるのは、
1)煙室側を半田付けしてフロント・ビーム側は嵌め込み式にするか、
2)逆にフロント・ビーム側を固定して煙室側を嵌め込みにするか、
3)或いは、両端とも嵌め込みにするか
の3方法だろうと思うが、どの方法にするか決められないまゝの見切り発車なので、先行きが不安だが、兎に角やってみることにした。

ブレースそのものは、0.8mmの真鍮線の一端をバイスで扁平に潰し、形を整えた上で0.4mmの穴を空け、もう一方を所定の位置で曲げるだけで、工作としては至極簡単なもの。
とは云え、ブレーキ配管の工作でも痛感したことだが、所定の位置にピタリと合わせて曲げることが如何に難しいか、今回も思い知らされた。

今回もその例に漏れず曲げ加工の必要な非公式側のブレースは、結局2本作っても上手く出来ず、写真のブレースは3本目のもの。とは云え未だ曲げ加工をしていないので、その成否によっては4本目に掛る必要が出て来るかも知れない。
同じ曲げ加工をやり直しばかりしていると、煮詰まって来てしまう。そこで気分を変えるために、仮付け状態で写真に撮ってみた。すると前方より見た場合には判らないが、真横から見ると、左右の角度が若干ズレているのが判る。
曲げ加工もさることながら、この角度のズレをどの様にして修正すれば良いか?
ステップの宿題も片付いていないのに、又、宿題が出てしまった。

1060製作記(178) サイドタンク – 4

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

先延ばしにしていたサイド・タンクの半田付けを実行した。

こうしてサイド・ビューを見ると、形式1060の雰囲気が良く感じられて、独り悦に入っていた。
所が、よく見るとサイド・タンクキャブの妻板との隙間が、公式側と非公式側とで若干違ってしまっている。

この辺りは、工作精度の悪さがもろに出てしまった訳で、汗顔の至りだが、両サイドを同時に見ることの出来る輩は居る筈もないので、この点には目を瞑って、工作を進めることにする。

1060製作記(177) サイドタンク – 3

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

エアブレーキ関係の配管は、サイド・タンクに支柱を介して固定されているので、イヨイヨ、後回しにしていたサイド・タンクを半田付けする必要がある。

と云う訳で、随分前に作っておいたサイド・タンクを引っ張り出して、車体に仮付けして色々な角度から眺めて、固定位置の確認をしていた。すると、側板が何となくたわんでいる様な気がして来た。

そこで定規を当てて確認して見ると、ほんの僅かだが確かに内側にたわんでいる。この程度なら、ウェイトの鉛板を詰め込めば矯正出来る範囲だろう。
元々、この形式1060には牽引力を求めることは考えていないとは云え、ウェイトの積み場所として貴重な所なので、出来ればこれ以上狭くしたくはない。
又、出来上がった蒸気を扱う際には、最も頻繁に指が掛かる場所でもあるので、頑丈に作っておくに越したことはないが、この点もウェイトが詰まっていれば、問題は出ないだろう。
と云う訳で、サイド・タンクの半田付け作業に入ることにしたが、先になって問題が出たら目も当てられない事態になるが・・・・。

1060製作記(175) 連通管

フル・スクラッチ ボイラー 上回り 形式1060

型式1060の側面には、後部と側面に設置された給水タンクを連結している太いパイプが走っている。手持ちの資料ではその太さの記載がないので、写真から適当に判断して、1.5mmの真鍮線を使うことにした。

この真鍮線を、それらしく曲げ加工をしなければならないのだが、そのために先ずジグを作った。
そして、工作に入ったのだが、思いの外真鍮線が硬くて上手く曲がってくれない。これまでの経験で、径1mmの真鍮線の曲げ加工はそれ程苦労することもなかったので、安易に考えていた。所が、1.5mmは硬い硬い。たった0.5mm太くなっただけで、こんなにも違うのかと驚かされた。
そこで、曲げる個所を部分的にナマしてみようと一旦は思った。しかし、ナマした上で曲げると加工そのものは容易になるが、出来上がりにシャープさを欠く様な印象だった様な記憶がある。
仕方がないので、小生の得意とする力技で数本作り、出来の良いものを採用することにした。

次いで、フランジ。分割されている連通管を連結するためのフランジの工作に入った。
これも資料の写真から適当にサイズを決め、中心に連通管が通る1.5mmの穴を空けた3m径の円盤に、固定するためのボルト用の0.4mmの穴を8個空けた。
実は、この工作があったので、簡易割り出し器を先ず作ることにした(左の写真はこの簡易割り出し器を使ってボルト用の0.4mmの穴を空けている所)。

フランジの様な円盤状の物を作る場合、小生は所定の厚みの真鍮片を丸棒の半田付けした上で、ML-210を使って所定の径にまで切削する方法を採っていた。
今回も当然同じ手法で工作に入ったのだが、直径3mm近くまで削り込んだ所で、丸棒から外れて切子の中に飛んで行ってしまうことが続いた。恐らく、直径3mmともなると接着面がかなり小さくなるので、切削する際の抵抗に負けてしまうのが原因だろう。1回の切込み量を少なくするか、バイトの切れ味を良くするかで解決出来ると思うが、今回は所定の穴を空けた3mmの丸棒を、所定の厚さに輪切りにする方法を採った。

左の写真は、力技で曲げて作った連通管フランジ

連通管は位置決め用の穴に通しただけの仮置き状態。又、フランジは予備を含めて5個作り、0.4mmの真鍮線を通しただけの状態で、この後、ボルトを表現すべく高さを削り揃えた上で、連通管に通して半田付けすることになる。

と云う訳で、連通管はパーツとしてはほゞ完了したが、これをどのタイミングで車体に固定するか、決め兼ねている。と云うのは、ランボードの下からキャブの下に掛けてブレーキ用の配管がウネウネと通っているので、順序を間違えると・・・・・・。

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