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1060製作記(16)バランスウェイト

バランスウェイト フル・スクラッチ 形式1060

ML-210主軸手回しハンドルが完成したので、早速、中断していたバランス・ウェイトを削り取る作業に入ろうとしたが・・・。

1060-004その作業に入る前に三日月型のバランス・ウェイトを0.4mm厚の真鍮板で作成し、動輪に置いてみると、元の扇型のバランス・ウェイトの一部が隠れずにはみ出ているので、はみ出ている部分の整形作業もやらなければ・・・・。

 

1060-005先ず、元のバランス・ウェイトの厚みを0.4mm削る作業。

真鍮で作ったヤトイに動輪をセットし、突切りバイトを使用して0.1mmに満たない極僅かな切込み量で少しずつ慎重に行なった。

この時主軸はモーターではなく、手動で回転させるのだが、この時に活躍したのが先に作った主軸手回しハンドルと云う訳。

1060-006次に、はみ出す部分の整形作業。

この作業は、糸鋸とヤスリでシコシコと進めたが、素材はホワイト・メタルの様な柔らかいものではなく、結構硬い感触があった。
ヒョットすると洋白かも知れない。

細くて綺麗なスポークだと思っていたが、この辺が理由なのかも・・・・・。

1060-007最後に、作り置いた三日月型のバランス・ウェイトを貼り付けた。

接着剤が硬化し終わったら、黒染して、完了・・・となる筈。

尚、接着剤は、ロッド・メイキング(釣り竿)の使い残しの2液性エポキシを使用した。

 

(2015/07/17追記)

1060-008昨日、黒染が終わった。

後の覚えのために手順を書くと・・・。

先ず、ブレーキ・クリーナーを吹いて脱脂した後、マスキング・テープを貼って輪芯部分だけを切り抜き、その後にファイン・スプレー・ブラッセンで着色した。

 

1060製作記(15)車輪の改軌-2

フル・スクラッチ 形式1060 改軌

動輪の改軌は、弁装置の組み込みやバランス・ウェイトの形状変更が必要なため、この時点では出来ないことが分かったので、先・従輪の改軌をした。

ここで訂正だが、前回のブログで珊瑚のB6(13mm)の動輪のバック・ゲージが11.2mmに設定されていると書いたが、その後パーツで買い求めた動輪や従輪を含めて手元にある13mmの珊瑚製品を丁寧にチェックし直した所、11.2mmより広いことが分かった。
では、どの位広いのかと云うことになるが、実測の結果では0.03~0.07mm程広くなっている。ノギスの傾きや力の入れ加減、又、車輪そのもののフレ等によってバラツキがあるが、惧らく基準値を11.25mmに置いているのではないだろうか・・・・と勝手に思うことにした。

と云う訳で、小生も基準値を11.25mmに設定することにして、先・従輪の改軌作業に入った。

いつもの小生であれば、ここで直ぐに作業に入った所だが、その前に冶具を作った。
と云うのも、作業が終わった車輪1軸、1軸をノギスで測ってチェックするのは、前述の様に測り方によって値が変わって来るし、その故に何度も測り直しをする結果になって面倒臭いと云うことが、珊瑚の製品をチェックして身に沁みたのがその理由。

1060-003写真の左端に写っているのがその冶具をセットした状態の先輪で、冶具は、10mm径の真鍮棒を11.25mmの長さに切断し、その中心に向かって車軸が入る幅で切込を入れている。この冶具を車輪と車輪の間に挿入しチェックする際、ヌルヌルと抜き差し出来れば、バック・ゲージが11.25mmに収まっている筈・・・・・。
しかし、頭で考える程、ことは簡単ではなく、キツかったり緩かったりで、一度も一発で合格という訳には行かなかった。

車軸は2mm径の鉄線を使いたかったが、生憎手持ちがなかったので、16.5mmの古い貨物車を潰してその車軸を流用した。今後のためにも、2~3mm径の鉄線を常備しておく必要を痛切に感じた次第。

結果として結構苦労することになったが、兎に角、先・従輪の改軌作業は完了した。
と云うことで、次の作業は、続いて動輪の改軌作業としたい所だが、冒頭の様な事情があるので、改軌は後回しにしてバランス・ウェイトの形状を修正することにした。

バランス・ウェイトの形状修正は、元々のバランス・ウェイトを旋盤で0.4mm削り、そこに0.4mm厚の真鍮板で作った新しいバランス・ウェイトを貼り付けることになる。
そのために、旋盤の主軸手回しハンドルを作り直すことにした。現在のハンドルは、ML-210を入手した際の習作だが、やはり工作も雑でお粗末なので、いつかは作り直そうと思っていた所で、バランス・ウェイトを削る際、手で旋盤の主軸を回すことになるため、調度良い機会になる。

1060製作記(14)車輪の改軌-1

フル・スクラッチ 形式1060 改軌

フライス盤のFM-80E(A)サーキュラーソーの導入、その改造等々あって、1060の工作にまで手が回らなかったが、漸く取り掛かることが出来る様になった。

・・・・・・・・

小生は13mmを採用しているので、殆どの場合、車輪の改軌は避けて通れない作業になる。
と云う訳で、手始めに動輪の改軌を行った。

車輪を改軌する場合、16.5mmを13mmにするのだからと云って、単純に3.5mm詰めれば良いのかと云うとそうでもない。と云うのも13mmの場合は、バックゲージの許容範囲が16.5mmよりもシビアになっている様で、車輪の厚み具合によっては、バックゲージが狭くなり過ぎることもあり得る。そうなると直線や単なる曲線部分では問題がなくても、ポイントのフログ部分で引っ掛かって脱線する原因にもなる。

このバックゲージについて、珊瑚のB6(13mm)の動輪をチェックしてみると11.2mmになっているので、小生もそれに倣って11.2mmを基準にしているが、車輪の厚みが違うので、一応の目安と云うことにしている。
そこで、1060用にキープしている動輪と、珊瑚のB6の動輪の厚みを比べてみた所、1060用が2.7mm、B6用が2.3mmと0.4mm程1060用の方が厚いので、バックゲージは11.1mmに設定して改軌を行った。

1060-002車軸は、元の車軸の片側をバックゲージが11.1mmになる様に削った上で使うことにした。しかし、模型感が錆び付いていて中々上手く行かず、何度も嵌めてみては削りを繰返す羽目になってしまった(汗)

そして、何とか動輪の一軸の改軌が終わった所で、良く良く考えてみると・・・・。
今回は、スティーブンソン式の弁装置を形だけでも組み込む予定にしているし、バランス・ウェイトの形も変えなければならないので、今、このタイミングで13mmにして組み上げてしまうのは早過ぎることに気が付いた(大汗)

と云う訳で、今日の作業は単なる演習に終わり、本番は明日から・・・・。

1060製作記(13)曲線通過対策5

フル・スクラッチ 形式1060 曲線通過対策

5月3日に開かれた湘南鉄道模型クラブの運転会でお目に掛かったSさんや昨日お会いしたKKCKさんから激励と云うかプレッシャー(笑)を掛けられ、イヨイヨ追い込まれてしまった心境で・・・・・。

曲線通過対策-600Rーリンクタイプゆうえんさんからご指摘のあったデッキとの干渉については、3D図面をチェックした所、幸いにしてクリア・・。
と思ったら、KDカプラーのポケットと前輪が見事に干渉することが分かり、まるでモグラ叩き状態!!

と云っても、KDカプラーのポケットのサイズは意外と大きいので、最初から干渉するかも知れないと思っていた。従って、想定の範囲内のことで、ここはカプラーを加工してポケットを使用せずに取り付けようと思っている。

1060製作記(12)曲線通過対策4

フル・スクラッチ 形式1060 曲線通過対策

TMS722号(2004/03)874号(2015/01)やブログでゆうえん・こうじさんのカーブで先台車が前方にせり出す仕組みを勉強させて頂いた。

ゆうえんさんの作例では1軸の先台車に採用されており、874号に掲載されている2軸先台車の6500では、大胆にも、後方の軸を固定し実質的な1軸先台車にされた上で、せり出す仕組みを組み込んでおられる

小生も、当初、ゆうえんさん6500に倣って、前方の1軸には前後に稼動出来る遊びを持たせて見ようと考え、色々と図面を描いてみた。仕組みとしては上手く行きそうだが、前方にせり出す移動量がもう少し欲しい。しかし、この移動量を稼ぐには、リンクのサイズは出来るだけ小さくしたい所だが、連結用のピンのサイズを細くしても、精々1.5mm程度までしか縮められず、移動量の増加はそれ程期待が出来ない。

そこで、別の方法を考える必要が出て来た訳だが、そんな良いアイデアが直ぐに出て来る筈もなく、はてさてどうしたものか???・・・・・

曲線通過対策先台車722号の説明図をボーッと眺めている時、フト思いついた。
つまり、2軸先台車の場合、曲線では首を振ることと同時に先台車全体の横移動が必須で、この横移動につれて前方にせり出せれば良いのではないか・・・。

そこで、そのアイデアを描いてみたのがこの図。
通常の場合、先台車の位置決めは、先台車の中心を貫通するピンをフレームに固定することによって行われ、横移動のために孔を横に広げて対応しているが、前方にせり出すために、この位置決めのためのピンの位置を、先台車の中心から前方にズラし、先台車の中心とはリンクを介して連結すればどうだろうか?
具体的には、図のピンクのピンが、フレームに固定されている位置決めのためのピン、グリーンのピンが先台車のセンターピンで、グレイのリンクを介して連結している。こうすれば、先台車はグリーンのピンを中心に首を振ることが出来、先台車全体はピンクのピンを中心にして左右に動ける上、半径が固定されているので左右の動きが大きい程、前方に移動する筈・・・・。

このアイデアを元に図面を描いてみた所、前方への移動量は充分ある上、その量はリンクの長さで容易に調整出来るので、グッド・アイデアだと思う。
しかし、今度は後部の車輪が、4本スライドバーの内側のバーに干渉することが解った。だが、ここは内側のスライドバーを欠き取って逃げることが出来そうなので、致命的な問題とはならないだろう。

寧ろ、この構造から、前進の場合は上手く行くだろうが、後退の場合は先台車の動きが不安定になり脱線し易くなるのではないか?
こんな簡単な仕組みを先人達が考え付かないことはあり得ず、きっと何方かが試した結果上手く行かなかったので、作例を見掛けることがないのではないだろうか?

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