1060製作記(127) 煙室関係 – 2

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

煙室扉のパーツを作った。
扉は写真の様に4枚の貼合わせで、左から0.4、1.0、0.5、1.0mm厚の真鍮板を使った。

作り方は、
1)素材の真鍮板をヤトイを介してML-210三つ爪チャックに咥えて、所定の径の円盤に仕上げた後、三つ爪チャックごとML-210から取り外し、
2)そのまゝ、FM-80E(A)のテーブルにセットした割り出し円テーブルに固定して、ボルト用の穴を開けた。
この作業を、左から3枚について行った。右端は割り出す必要がないので、ヤスリで形を整えた。

ここまでは、比較的簡単な作業だが、問題はクリートヒンジ
クリートは、幅0.6mm、長さ1.0mm、厚さ0.7mmの真鍮板の中央に0.4mm径の穴を開けたものを8個作らなければならない。しかも、この極々小さなパーツを楕円状に仕上げ加工する必要もある。

写真の4つの扉のパーツの上に写っているものが、取り敢えず作ったクリートで、紛失を防ぐために0.4mmの真鍮線に串刺しにしている。

最初は、0.6mm厚の真鍮板のコバに0.4mmの穴を開けようと考えたが、FM-80E(A)を使わない手はないと、考え直した。
作り方は、
1)0.7mm厚の真鍮板を、1mm厚の捨て板に半田付けをし、
2)0.4mm径の穴を1.6mm間隔で予備を含めて10個開け、
3)開けた穴と穴の中央を1mmのエンドミルで切削し、
4)その後長さが1mmになる様に上下を切削。
で、3)、4)の切削の際は、切込みの総量を0.6mm程度に抑えて、0.1mm程度残る様にした。と云うのも、これだけ小さなパーツになるので、幾ら半田付けをしているとは云え、完全に切削してしまうと、エンドミルの衝撃に負けてしまって、捨て板から剥がれて飛んで行ってしまう惧れがあったのが理由。

工作が終わった後は、0.4mmの真鍮線に串刺しをしてから、バリ取りをし、角に軽くヤスリ掛けをして面取りをした。本来ならば面取りではなくフィレット掛けすべきだが、そこまでの技量がないので妥協したもの。

次回は、ヒンジの作成。

1060製作記(126) 煙室関係 – 1

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

煙室の工作を行った。

当初は、煙室はパイプから削り出そうと考えたが、次の理由から、キャブ周りと同じ様に、0.2mm厚の燐青銅板にリベットを打出した後、円筒に曲げて作った。

そしてその理由だが・・・・。
先ず、煙室には並んでいる沢山のリベットの表現方法をどうするか?
多くの先輩諸氏が、0.3mmの真鍮線を植え込んで表現されているので、小生も倣ってそうする積りでいた。
所が、この場合、当然のことながら0.3mmのドリルで沢山の穴を空ける作業が必要となる。位置決めは割り出し器を使えば良いので、この点は心配はない。しかし、0.4mmであれば何とか出来ると思うが、0.3mmでは何本のドリルを折ってしまうか、甚だ自信がない。また、穴開けが上手く行き、真鍮線の植え込みも出来たとしても、更に、頭を揃えた真鍮線を一本一本丸く加工する必要もあるが、そのための工具の持ち合わせがない。

これに対して0.2mm厚の燐青銅板を使う場合は、キャブ周りと同じリベット打ち出し器を使うので、キャブ周りとリベットの形状が同じになり、この点は具合が良い。しかし、問題は綺麗なパイプ状に曲げられるか?

と考えると、燐青銅板にリベットを打ち出す方法の方が、手間は少ない。

と云う訳で、当初の計画を変更して、燐青銅板を使ったのが写真。

1060製作記(125) キャブ – 8

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

キャブの組み立てを終えた。

粗は色々と目に着くが、漸くここまで辿り着いた・・・・。

次の工作は、煙室廻りになるが、パーツ類の作り置きがないので、暫くはパーツ作りに専念することになる。

 

 

1060製作記(124) キャブ – 7

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

キャブの組み立てに入った。

側板の作り直しがまぁまぁ上手く行ったので、嬉しくなって側板を先に半田付けしてしまったが、これは大間違い
キャブ内の仕切板・・・・原型ではキャブの後ろ扉(?)・・・の位置決めに苦労して手間取ってしまった。ここは、仕切板側板に半田付けをしてから、側板の固定をすべきであった。

苦労して半田付けを終えたのに、こうして、写真に撮って見ると半田付けの下手なこと!!

先輩諸氏の作品を拝見すると、極々少量の半田で綺麗に固定されているが、小生は、半田の量が少ないと綺麗に回っているかどうか自信がないので、どうしても使う半田の量が多くなってしまう。
その結果、意図しない所まで半田が流れてしまったり、その後のキサゲ作業に時間を取られてしまったり・・・・(涙)

この後は、キャブ後部妻板コールバンカー妻板の半田付け作業になる。

1060製作記(123) キャブ – 6

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

窓枠を切り抜いた。

前作では0.2mm厚の真鍮板を使ったが、細い窓の桟が頼りなかったので、今作では真鍮よりも張りの強い0.2mmの燐青銅板を使った。
方法は、側板と同じ様に素材の燐青銅板を2枚重ねて捨て板に半田付けをした上で、フライス盤で切り抜きバラシた。

尚、写真の細長い扉状の物は、引き違いを表現するために裏打ちするもの。
この後、手摺取り付け用の0.4mmの穴をガイドに位置決めをして、細い扉状のものを写真の上部の窓枠に半田付けをして、側板に半田付けをする窓枠を組み上げた。

組み上がった窓枠をキャブの側板に裏打ちをして、やっと側板が完成。

試しに、フレームに仮止めしたのがこの写真。

こうしてみると、雰囲気が出て来た様な・・・・・・。

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