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1060製作記(196) ステップ – 4

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

ステップを作り直すことにして、工作をしていたのだが、この日まで、何回、失敗したことか。

先ず、これまでと同じ様に帯板を使ったのだが、やはり満足したものが出来ず、ボツ!

と云う訳で、帯板を曲げて作ることは諦めて、1mm厚の洋白板を切り抜く方法でやってみた。

切り抜く方法は、ステップの脚の部分を向かい合わせに配置して、真ん中の段を残して切り抜き外形を仕上げた後、中央から切断することにした。

写真左側:径1mmのエンドミルで抜く途中の失敗作。
1辺を抜くためには、1回の切込み量を0.2mmにしたので、1mm厚の洋白板を抜くのに5回、更に、完全に抜くために1回追加し合計6回、材料を送る必要がある。従って、3個の四角形を抜くのには72回(6回 x 4辺 x 3個)の送りとなるが、この回数は時間さえ掛ければ、問題はない。しかし、所定の位置で送りをピタリと止めるのが問題で、年齢のせいか、どうも集中力が続かない。慎重に、慎重にと自分に云い聞かせながらハンドルを操作しているにも拘らず、あっと思った時には、すでに遅しで、送り過ぎてしまった。

写真中央:糸鋸で切り抜こうとした失敗作。
フライス盤で抜く方法を諦めて、糸鋸とヤスリで何とか仕上げてやろうと考えた。ゆっくり丁寧に作業すれば何とかなるだろうと思ったのだが・・・。
頭で考えていた程には遠く及ばず、上手くは出来ないことを再確認させられた。
加えて、思いの他、右肘に負担があることが判った。
実は、釣りのし過ぎで(?)右腕がテニス肘になってしまったので、最近はもっぱら左腕でロッドを扱っているのだが、ヤスリ掛け作業がテニス肘に影響してくるとは思いもしなかった。
と云うのは、内側を糸鋸でザックリと抜いた後、ヤスリを使って仕上げに入るのだが、この様に極小さな物にヤスリを掛ける際は、専ら手首の動きだけでヤスリを動かしており、肘は殆ど動かしていない。先輩諸兄はいざ知らず、少なくとも小生の手の使い方は、こうなっている。
肘は動かさず手首だけで作業しているのだから、テニス肘には関係がないだろうと思われるのだが、さにあらず。肘を暫くの間動かさないでいると、次に動かす際に痛みが出るのである。一旦、動かすと痛みはなくなるのだが、動かさずにいると、次に動かす際にまたもや痛みが走ると云った具合。

写真右側:所定位置で止める工夫をした例。
ヤスリ掛けを避けてステップを作るには、やはりフライス盤を使うしかない。とは云え、前回と同じ方法では、失敗作を積み上げる結果になることは火を見るよりも明らか。
と云う訳で、失敗しない方法を考えた。
詰まり、材料の送りを、何度も何度も繰り返して所定位置でピタリと止めるのが心許ないのであれば、所定位置の手前で止めて、最後に所定位置を抜けば良いのではないか・・・。
そして、この順番を入れ替えれば、更に工作が楽になるのではないかと思い至った。即ち、切込みの始点と終点に予め径1mmの穴を開けておき、その穴を目安にして材料を送り、所定位置の少し手前で送りを止めれば良く、毎回毎回ピタリと止めなければならないプレッシャーもなくなる上、ハンドルの目盛りを読む必要もなくなる。
但し、この方法では、所定位置の手前までしか送らないので、削り残しが多少出るかも知れない。しかし、フライス盤を使う以上、四隅を直角に仕上げる必要があるので、その際に修正も出来るだろう。また、この程度のヤスリ掛けでは、肘への影響も遥かに少ないだろう。

と云う訳で、次の工作は四隅を直角に仕上げることを含めて内形の仕上げ。そして、外形を仕上げた後、切断と云うことになる。