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1060製作記(56)車輪の改軌 – 3

フル・スクラッチ 形式1060 改軌

冶具を作った効果は絶大で、何の苦労もなく予備を含めて5つの偏心輪に位相合わせのためのガイド穴を開けることが出来た。文字通り急がば回れと云うことか・・・・。

そして、偏心輪を車軸に通して組み立てようとした所、何故か上手く行かない。良く良くチェックして見ると、穴を開ける位置が間違っている(大汗)
車軸の中心から等距離に穴を開けなければならないのに、何をどう間違えたのか、偏心輪の中心を基準にしていた。そこで、再度、穴を替え直した次第。
間違えて開けた穴の位置と、正しい穴の位置が少しでも被っていると、やり直しは出来ず、偏心輪から作り直さなければならなかった所だが、幸いにも被っていなかったので事なきを得ることが出来たと云う訳で、ここでも冶具を作っていて助かった。

と云う訳で、ガイド穴に0.4mmの真鍮線を通して2枚の偏心輪を連結した上で、半田付で固定して2組が出来上がった。

偏心輪が完了したので、次に動輪の車軸を作る作業に入った。
車軸は径3mmのSKロッドを材料に、4本作った。必要数は2本なので、4本も作る必要はないのだが、どんなに慎重に作業を進めても、所定の寸法にきちっと仕上げる自信がない。そこで、4本の内、出来の良いもの2本を使う魂胆。

車軸の作成過程は、
1)SKロッドを16mmに切断。
2)両端から2.4mmを径2.45mmに切削。
3)2)の部分を1度弱の角度でテーパー加工。
と、たったの3行程しかないが、精度良く作ろうとすると結構時間が掛かるし、中々上手く行かない。

1060-050今回も、2)でつまづいてしまった(汗)

固くて動輪に上手く挿入出来ないので、ホンの僅かづつ削った筈なのに、結局、削り過ぎてユルユル
LOCTITE243で固定して誤魔化した。

次の工作は・・・・・。
小生は、動輪押さえ板を使うのが好きではない。従って、この形式1060動輪を上から落とし込み、イコライザーで抜けるのを防ぐ方法を採用している。
この後、弁装置を組み込んで最終チェックをする積りだが、このまゝでは、動輪が容易に抜けてしまって、扱い難いので、次は、イコライザーの工作に掛かる積り。

1060製作記(15)車輪の改軌-2

フル・スクラッチ 形式1060 改軌

動輪の改軌は、弁装置の組み込みやバランス・ウェイトの形状変更が必要なため、この時点では出来ないことが分かったので、先・従輪の改軌をした。

ここで訂正だが、前回のブログで珊瑚のB6(13mm)の動輪のバック・ゲージが11.2mmに設定されていると書いたが、その後パーツで買い求めた動輪や従輪を含めて手元にある13mmの珊瑚製品を丁寧にチェックし直した所、11.2mmより広いことが分かった。
では、どの位広いのかと云うことになるが、実測の結果では0.03~0.07mm程広くなっている。ノギスの傾きや力の入れ加減、又、車輪そのもののフレ等によってバラツキがあるが、惧らく基準値を11.25mmに置いているのではないだろうか・・・・と勝手に思うことにした。

と云う訳で、小生も基準値を11.25mmに設定することにして、先・従輪の改軌作業に入った。

いつもの小生であれば、ここで直ぐに作業に入った所だが、その前に冶具を作った。
と云うのも、作業が終わった車輪1軸、1軸をノギスで測ってチェックするのは、前述の様に測り方によって値が変わって来るし、その故に何度も測り直しをする結果になって面倒臭いと云うことが、珊瑚の製品をチェックして身に沁みたのがその理由。

1060-003写真の左端に写っているのがその冶具をセットした状態の先輪で、冶具は、10mm径の真鍮棒を11.25mmの長さに切断し、その中心に向かって車軸が入る幅で切込を入れている。この冶具を車輪と車輪の間に挿入しチェックする際、ヌルヌルと抜き差し出来れば、バック・ゲージが11.25mmに収まっている筈・・・・・。
しかし、頭で考える程、ことは簡単ではなく、キツかったり緩かったりで、一度も一発で合格という訳には行かなかった。

車軸は2mm径の鉄線を使いたかったが、生憎手持ちがなかったので、16.5mmの古い貨物車を潰してその車軸を流用した。今後のためにも、2~3mm径の鉄線を常備しておく必要を痛切に感じた次第。

結果として結構苦労することになったが、兎に角、先・従輪の改軌作業は完了した。
と云うことで、次の作業は、続いて動輪の改軌作業としたい所だが、冒頭の様な事情があるので、改軌は後回しにしてバランス・ウェイトの形状を修正することにした。

バランス・ウェイトの形状修正は、元々のバランス・ウェイトを旋盤で0.4mm削り、そこに0.4mm厚の真鍮板で作った新しいバランス・ウェイトを貼り付けることになる。
そのために、旋盤の主軸手回しハンドルを作り直すことにした。現在のハンドルは、ML-210を入手した際の習作だが、やはり工作も雑でお粗末なので、いつかは作り直そうと思っていた所で、バランス・ウェイトを削る際、手で旋盤の主軸を回すことになるため、調度良い機会になる。

1060製作記(14)車輪の改軌-1

フル・スクラッチ 形式1060 改軌

フライス盤のFM-80E(A)サーキュラーソーの導入、その改造等々あって、1060の工作にまで手が回らなかったが、漸く取り掛かることが出来る様になった。

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小生は13mmを採用しているので、殆どの場合、車輪の改軌は避けて通れない作業になる。
と云う訳で、手始めに動輪の改軌を行った。

車輪を改軌する場合、16.5mmを13mmにするのだからと云って、単純に3.5mm詰めれば良いのかと云うとそうでもない。と云うのも13mmの場合は、バックゲージの許容範囲が16.5mmよりもシビアになっている様で、車輪の厚み具合によっては、バックゲージが狭くなり過ぎることもあり得る。そうなると直線や単なる曲線部分では問題がなくても、ポイントのフログ部分で引っ掛かって脱線する原因にもなる。

このバックゲージについて、珊瑚のB6(13mm)の動輪をチェックしてみると11.2mmになっているので、小生もそれに倣って11.2mmを基準にしているが、車輪の厚みが違うので、一応の目安と云うことにしている。
そこで、1060用にキープしている動輪と、珊瑚のB6の動輪の厚みを比べてみた所、1060用が2.7mm、B6用が2.3mmと0.4mm程1060用の方が厚いので、バックゲージは11.1mmに設定して改軌を行った。

1060-002車軸は、元の車軸の片側をバックゲージが11.1mmになる様に削った上で使うことにした。しかし、模型感が錆び付いていて中々上手く行かず、何度も嵌めてみては削りを繰返す羽目になってしまった(汗)

そして、何とか動輪の一軸の改軌が終わった所で、良く良く考えてみると・・・・。
今回は、スティーブンソン式の弁装置を形だけでも組み込む予定にしているし、バランス・ウェイトの形も変えなければならないので、今、このタイミングで13mmにして組み上げてしまうのは早過ぎることに気が付いた(大汗)

と云う訳で、今日の作業は単なる演習に終わり、本番は明日から・・・・。