※ 月別アーカイブ:4月2015 ※

1060製作記(12)曲線通過対策4

フル・スクラッチ 形式1060 曲線通過対策

TMS722号(2004/03)874号(2015/01)やブログでゆうえん・こうじさんのカーブで先台車が前方にせり出す仕組みを勉強させて頂いた。

ゆうえんさんの作例では1軸の先台車に採用されており、874号に掲載されている2軸先台車の6500では、大胆にも、後方の軸を固定し実質的な1軸先台車にされた上で、せり出す仕組みを組み込んでおられる

小生も、当初、ゆうえんさん6500に倣って、前方の1軸には前後に稼動出来る遊びを持たせて見ようと考え、色々と図面を描いてみた。仕組みとしては上手く行きそうだが、前方にせり出す移動量がもう少し欲しい。しかし、この移動量を稼ぐには、リンクのサイズは出来るだけ小さくしたい所だが、連結用のピンのサイズを細くしても、精々1.5mm程度までしか縮められず、移動量の増加はそれ程期待が出来ない。

そこで、別の方法を考える必要が出て来た訳だが、そんな良いアイデアが直ぐに出て来る筈もなく、はてさてどうしたものか???・・・・・

曲線通過対策先台車722号の説明図をボーッと眺めている時、フト思いついた。
つまり、2軸先台車の場合、曲線では首を振ることと同時に先台車全体の横移動が必須で、この横移動につれて前方にせり出せれば良いのではないか・・・。

そこで、そのアイデアを描いてみたのがこの図。
通常の場合、先台車の位置決めは、先台車の中心を貫通するピンをフレームに固定することによって行われ、横移動のために孔を横に広げて対応しているが、前方にせり出すために、この位置決めのためのピンの位置を、先台車の中心から前方にズラし、先台車の中心とはリンクを介して連結すればどうだろうか?
具体的には、図のピンクのピンが、フレームに固定されている位置決めのためのピン、グリーンのピンが先台車のセンターピンで、グレイのリンクを介して連結している。こうすれば、先台車はグリーンのピンを中心に首を振ることが出来、先台車全体はピンクのピンを中心にして左右に動ける上、半径が固定されているので左右の動きが大きい程、前方に移動する筈・・・・。

このアイデアを元に図面を描いてみた所、前方への移動量は充分ある上、その量はリンクの長さで容易に調整出来るので、グッド・アイデアだと思う。
しかし、今度は後部の車輪が、4本スライドバーの内側のバーに干渉することが解った。だが、ここは内側のスライドバーを欠き取って逃げることが出来そうなので、致命的な問題とはならないだろう。

寧ろ、この構造から、前進の場合は上手く行くだろうが、後退の場合は先台車の動きが不安定になり脱線し易くなるのではないか?
こんな簡単な仕組みを先人達が考え付かないことはあり得ず、きっと何方かが試した結果上手く行かなかったので、作例を見掛けることがないのではないだろうか?

1060製作記(11)曲線通過対策3

フル・スクラッチ 形式1060 曲線通過対策

曲線通過チェック-600R曲線通過対策で頂いたゆうえん・こうじさんのコメントで紹介されていたカーブで先台車が前方にせり出すギミック。
これは面白い仕組みだと勉強している際に誤りに気が付いた。
と云うか、小生はほんの駆け出しに過ぎないのに、先人達が悩みに悩んで苦労している点を、余りにも安直に考え過ぎていることに気が付いた。

と云う訳で、曲線の通過対策だが、カーブに差し掛かった時の先台車の動きを考えてみると・・・(この図で、赤線は直線の中心線、ブルーはカーブの中心線を表しており、進行方向は左から右を想定している)。

先ず、カーブに差し掛かった先台車はカーブに沿って首を振り、進行するに連れて徐々に左右にズレる様に動き、その動きによって車体がカーブを通過することが出来る筈で、そして、そのズレる様に動く方向は、この図の様にセンターピンのガイド孔が直線状の場合は、先台車は後方に下がることになる。即ち、カーブではシリンダーとより接触し易い方向に動くことになる筈で、前回の曲線通過対策では全く意識をしていなかった。

先台車が横ズレに伴って後方に下がってしまうことを避けるには、センターピンのガイド孔を円弧状にするかカタカナのハの字状にする必要がある訳で、何方かの作品で円弧状にされているのを見た覚えがあるが、果たして今その意味が解ったと云う何ともお寒い限り(汗)

と云うことで、もう一度、曲線の通過対策を考えてみようと思う。

1060製作記(10)ブレーキ関係

フル・スクラッチ ブレーキ関係 形式1060

ブレーキこれまで手掛けた蒸気機関車に倣って1060にもブレーキ関係を作り込もうと考えた。

所が、小生が頼りにしている唯一の資料である臼井茂信氏の書かれた古典機関車の基礎ブレーキ略図には、1060は元よりその原型である6120のブレーキ図も掲載されていない。

ただ、6120を国産化した6100のブレーキ図があったので、それを参考にした。それでも、ブレーキ梁とブレーキ・ロッドの結合方法、特にブレーキ・シリンダー寄りのブレキー梁とロッドは二段構えになっているのではないかと考えるのだが、不明なのでその辺は省略して適当にそれらしく描いてみた。

1060製作記(9)曲線通過対策2

フル・スクラッチ 形式1060 曲線通過対策

700Rの曲線通過対策について、先ず、前方は・・・・。

ここはシリンダーの前端と車輪のフランジが干渉しており、最初にシリンダー間隔を広げることを考えてみた。

試みに、現在19.5mmの間隔を21mmに拡張して図面を描いてみたが、それでもシリンダーの前部が僅かに接触している。22mm~23mmまで広げれば干渉は避けられそうだが、そこまで広げると13mmを採用している意味がなくなる。

で考えられるのは、
1)シリンダーの全長を短くするか、
2)シリンダー部分全体を少し後にずらすか、
3)1)と2)を組み合わせるか、
4)更に、シリンダー間隔の拡張を組み合わせるか
方法は色々とありそうだが、何れにしてもここで設計を変更することは簡単に済みそうもない。しかし、実際に真鍮板を切ったり貼ったりする前の段階なので、マシといえばマシと云うべきか・・・・。

曲線通過チェック先台車で、色々と試した結果、結局、シリンダー間隔は拡張せず19.5mmのままとし、シリンダー部分全体を0.5mm後方にずらすことにした。

それでも、先台車の一部とシリンダーが干渉するが、先台車のその部分だけ欠き取っても、外部からは目立たないだろうと考えてその様にすることにした。

次に、後部の対策だが・・・・。

左右にあるエア・タンクの間隔は、24mmとシリンダー間隔に比べるとかなり広いため対策は安易に考えていた。
所が、車輪のサイズが8.8mmの先輪に対して、従輪は9.5mmと一回り大きいことに加えて、タンクと従輪の位置関係が問題で、後ろ側の従輪の1/4程がタンクに隠れてしまっていて、干渉する部分が殊更に大きくなっているのが、対策を難しくしている原因だろう。

当初は、従台車の首振りがある点に達したら、エア・タンクも連れて首を振って干渉を避ける仕組みを考えた。
この場合、700Rの曲線に掛かった時に1.5mm程車体幅からはみ出すエア・タンクがどの様に見えるかが問題になると同時に、タンクの動きを妨げない様なパイピングをどの様に実現するか・・・・。特に、後者のパイピングについての上手い解決策が思いつかなかった。

と云う訳で、非常に安直な方法だが、エア・タンクを欠き取ってみた

曲線通過チェック従台車斜め下から眺めると欠き取りが目につくかも知れないが、エンド・ビームやカプラーもあるし、何よりも模型を眺める視点は斜め上からのことが多いので、余り目につくことはないだろうと云うのが、小生の読みなのだが・・・。

1060製作記(8)曲線通過対策1

フル・スクラッチ 形式1060 曲線通過対策

蒸気機関車を模型化する場合、シリンダーと先輪の干渉をどの様に避けるかが問題で、誰もが頭を悩ます点であると云うことは異論のない所だと思う。

そして、今手掛けている1060は、後部床下に大きなエアタンクを左右にぶら下げているため、そのシリンダーと同じ問題を後部にも抱えていることになる。と云っても、そんなことは1060を製作対象に選んだ時から解っていることであり、今更何をと云う感がある。

一方、小生が末席を汚している模型クラブの掲示板で、模型を作る際、図面を描くかどうかについて話題になったことがあった。その際の会員諸氏のやりとりの中で、図面を書かない場合であっても、最急カーブの線路を書いて、その上に乗った車輪の状態を最低限の図面として書いてみるべきだとの意見があったのを思い出した。

曲線通過チェックそこで、1060を下から見た図面にR700の曲線を重ねて描いてみた。するとどうだろう、後部も厳しいがシリンダーのある前部の方が遥かに厳しいことが判った。特に、前方は、当初、シリンダー間隔を21mmにしていたのだが、途中で誤りに気が付いて19.5mmまで狭めた経緯があるだけに、迂闊だった。

思えば、形式27もその点をキチンと考慮せずに模型化してしまったので、はやり曲線通過には難がある
その点を反省しておれば、この様なことはなかった筈だが、図面作成の段階で判明したは不幸中の幸いで、今後、蒸気機関車を模型化する際は、曲線通過対策を常に意識して掛かる必要を痛感した次第

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