※ 月別アーカイブ:12月2016 ※

1060製作記(99) 屋根 – 1

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

いよいよ苦手な屋根ボイラーの丸め作業に入った。
屋根にしろボイラーにしろ、曲げが入ると、どうしても思った寸法通りにし上げることが出来ない。
加えて、真円に仕上げることも、これまた難しい。

と云うのが苦手にしている理由だが、SLをスクラッチしようとするには避けて通れないので、意を決して・・・・・。

先ず、屋根だが、屋根の幅をどう決めるか・・・。
幾ら正確に計算し、材料を正確に切り出した所で曲げが入る以上誤差が出ることは解り切っている。そこで、得意とする現物合わせ手法を取ることにした。

この時、役に立ったのが妻板の失敗作で、端材を入れておく箱には、何と3枚も入っていた。これらの妻板は何れも、窓抜きが上手く行かなかったり、ボイラー用の穴の中心が狂ったりしたのが原因でボツになっていたもの。しかし、外形は問題なく仕上がっており、今回はその外形を使うので好都合と云う訳。

1)先ず、屋根の材料となる真鍮板と同じ0.4mm厚、長さ80mmの帯板を用意し、
2)この帯板を、妻板の外周に沿って、横・屋根のカーブ・横と半田付け、
3)妻板の下辺から測って屋根の端の高さに罫書き線を引き、
4)帯板の端から罫書き線までの長さを測り、
5)帯板の長さ80mmから差し引けば、求める屋根板の幅になる。

で、左の写真は、帯板を妻板の外周に沿って半田付けしようとしている所だが、これが上手く行かない。

帯板は、スプレー缶などを利用して予め丸みを付け、妻板の中心部分から端に向かって半田付けをしたが、肩の部分がどうしても膨らんでしまう。

そこで、帯板を焼き戻して再度トライ。結果、少しは良くなったが、もう一つ。
仮にこの部分が上手く行き、幅の寸法が取れたとしても、10mm幅の帯板でこれだけ苦労しているのに、これよりも何倍も長くなる屋根板を相手に上手く曲げられるだろうか?
何か別の方法を考えるべきか? 年越しの宿題が出来てしまった。

1060製作記(98) キャブ – 2

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

前部妻板側板に裏板を半田付けした。

目視の限りではソコソコの出来だと思っていたが、こうして写真に撮ると色々と粗が見えて来て、出来映えはもう一つ。

と云って、作り直す気持ちはないので、このまま工作を進めることにした。

続いて、キャブの後半部分の床板を切り抜いた。
将来、サウンド化することも考えられるので、スピーカー用の穴を開けておくべきか考えたが、一旦出来上がってしまったら、改造してまでサウンド化することは、先ずないだろう。
又、仮にサウンド化するにしても積載するスピーカーの大きさも決まっていないので、ここで穴開けをしても無駄になると考え、穴開けはしないことにした。

1060製作記(97) キャブ – 1

フル・スクラッチ 上回り 形式1060

前回の更新から随分と時間が開いてしまったが・・・。
11月13日のKKCの会合の後、気が抜けてしまったことは確かだが、全く工作をしていなかったわけではなく、少しづつ作り溜めていた。

キャブ周りは、リベットを少しでも綺麗に打ち出すために、0.2mm厚の燐青銅板を使っていることは、既に述べた通りで、窓枠等を表現するために0.2mm厚の真鍮板を補強を兼ねて裏打ちすることにしている。

で、作り溜めていたのは、その裏打ち板。
先ず、上段は側板のパーツで、左側はリベットを打出した表側の板。その右の2つが窓枠となる裏打ち板で、中断の左側は、その裏打ち板を仮止めした状態。
中断の右側は後部妻板で、これは裏打ち板も半田付けしてしまっている。
下段の左側は、前部妻板の表側になる板で、右側は裏打ち板。

所で、形式1060のスクラッチにあたって、新たに増設したFM80E(A)を色々な場面で使っており、今ではなくてはならないものとなっているのだが、後付けをした簡易DROの信頼性にもう一つ自信がない。デジタル・ノギスの取り付け方法に原因があるので、FM80E(A)のXYテーブルを分解してデジタル・ノギスを剛性高く取り付ければ九分九厘解決する筈だが、分解したテーブルを精度よく組み立て直す自信がない。

と云う訳で、信頼性に疑問を抱えたまゝここまで来たのだが、折角のチャンスなので、KKCの会合で、この点について先輩諸氏に質問してみた。
当然、デジタル・ノギスの取り付け方法についてのご意見が多かったが、そんな中、mm以上の動きはDROの数字を見るが、mm未満についてはハンドルの目盛りを見ていると仰る方がいた。

折角DRO化しているのに、これでは余り面白くないとその場では思ったが、帰宅後この方法を試して見ると・・・・・。最初の内こそ、使い方の要領が悪くて戸惑いもあったが、慣れて来るに連れて簡単だが実践的で非常に有用であることが解った。
この方法の良い点は、mm未満の単位になるとハンドルの目盛りを見てワークを送っているので、送り過ぎの失敗が皆無になったことで、今では専らこの方法によっている。