2006年5月 8日

5230製作記(4)

先日、ひょんなことから懇意にして頂いている長岡京市のK氏から、5130の組立図や5230の写真など資料を頂いた。と同時に、ランプ掛けの取り付け位置・向きが普通とは違っていることや煙室の伸張具合、ピストンの往復運動を利用した給水ポンプの存在等、全く気が付かなかった点を教えて頂いた。 この様な細かな点まできちっと把握されている氏の観察眼には恐れ入る。

頂いた組立図のテンダー部分と写真の状態にまで組立てたテンダーを比べていると、随分と違うことに気が付いた。
先ず、側板上部のRが小さ過ぎた。組立図には7インチとの記載があるので模型では2.2mm、詰り直径で4mmは要りそうだ。テンダー前部の衝立状のものやその後部の箱状(?)のものの有無、用途は不明だが側板上部のRの上にある半円のパイプ状のもの、貯水のタンクの形状も違っている。
キットはどのテンダーをモデルにしているのだろうか? 当時の輸入機に見られる様にエンジンだけ輸入して、テンダーは国産で組立図のものとは違う? しかし、頂いた写真のテンダーは見る限り組立図と同型の様だが・・・。

それよりももっと驚いたのがスケールである。このキットに付属している図面ではテンダーの横幅は26mmと記載されている。金田氏の図面を見るとテンダー幅は1848mm故、1/80では23mmとなる。それが26mmで設計されているのであるからかなりのオーバー・スケールである。しかも、エッチング・パターンを描く時に間違えたのであろうと思うが、写真の状態で幅を実測すると26.5mmもある。
テンダーだけではなくエンジンの方もスケールよりも一回り大きい。スケールの約10%増、つまり、1/80ではなくて1/70位のサイズになっている様だ。2800の際も同様であったが、どうもスケールと云った面から見るとこのキットは少々大雑把なのかも知れない。と云うよりも、動輪のサイズやレール幅からある程度ボーバー・スケールにしなければ仕方がないのかも知れない。
2800の時は、この点が気に入らずに鉄模社のキットを利用したスクラッチと云っても良い程であった。しかしこの5230も同じ様にすると、キットを使う意味がないので、今回はキットのサイズを尊重することにした。

実は、今でもどうするか迷っている。と云うのもテンダーはかなり作り込む必要がある。とすれば出来るだけスケールを尊重したい・・・。

全体をどうするかは別にして、取敢えずテンダーの図面は描く必要がありそうだ。

コメント[2]

16番の場合は、先輪や動輪との干渉上シリンダー中心間隔は最小でも24ミリ程度にせざるを得ません。シリンダー径は6ミリぐらいなので、機関車の床板幅は30ミリ程度になってしまいます。イギリス型はエンジンとテンダーの床幅は同一のものが多く、これにボディだけスケールどおりにしてもバランスが悪いので広くせざるを得ません。
これが16番の辛いところですが、スクラッチの場合の腕とセンスの振るいどころでもあります。
13ミリゲージに16番のキットを利用する場合は、シリンダー幅も含めて要注意です。13ミリゲージの趣旨に従えばスケールに近い寸法までつめるのがスジかと思いますが・・・。

16番の場合はどうしてもオーバースケールにしないとバランスが悪くなる、と云うことは充分理解している積りなんですが・・・・。
13mmを採用した理由もそこにあるのですが、13mmであっても、車輪の厚み等を考えるとファインスケールとは云えませんしネ。
何処で妥協するか? まるで哲学ですネ(笑)。

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